内容説明
「何があってもおまえを守ってやる」。少年は少女にこう誓った。しかし、一家惨殺事件に巻き込まれた恋人を彼が守れなかったことで、二人の関係は破局。19年後、刑事となった少年は、かつての恋人への約束を守るべく再び彼女の前に現れた。そして、見えてきた19年前の事件の真実とは―。実際にあった一家惨殺事件をモチーフにした著者渾身の“骨太の物語”。
著者等紹介
永瀬隼介[ナガセシュンスケ]
1960年、鹿児島県生まれ。週刊誌記者を経て、ジャーナリストとして独立。本名祝康成名義で、『19歳の結末 一家4人惨殺事件』『真相はこれだ!不可思議8大事件の核心を撃つ』などのノンフィクションを上梓。小説家としてのデビュー作は、2000年の『サイレント・ボーダー』。読み手のページを繰る手を休ませぬ物語展開。事件現場の最前線で培われた取材力と洞察力。テーマの重厚さ。現在、注目される実力派作家である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
007
11
長い時間かけて真相を追う慧一、少年時代から青年になるまでずっと思い続けるのって凄い。ラストはちょっと物足りないが気になって最後まで面白く読めた。2016/08/07
Pil
7
ずっと俺がお前を守ってやると誓った男子高校生だがガールフレンドがある事件に巻き込まれ、その誓いは果たせなかった。そして19年の時が経ち、現在の事件と19年前の事件が交錯し全貌が明らかになっていく。。人を守るとは、人を愛するとは何なのかを読者に迫ってくる様な重厚サスペンス。誓いを貫き通す主人公の強さにバチンっと心を打たれてしまった。2021/10/28
Nobu A
7
図書館本読了。「閃光」に続き、永瀬隼介2作目。一家惨殺事件に関わった高校生の杏子と慧一を軸に複数の登場人物が蜘蛛の糸のように絡む。2部構成で後半、19年前の当該事件を担当した吾妻に視点が変わり、趣向を凝らしている点は新鮮。一方で、前半、主人公である慧一の心理描写が減り、個人的には物足りない。それから、一気読み出来れば良いんだが、2行程空けているだけで章別けしていないのがちょっと読みづらい。全体的には読み応えがかなりある。この作家、東野圭吾や大沢在昌並みに人気がないのが不思議。他作品も読んでみたくなった。2018/01/29
智哉
6
既視感を覚えるほどオーソドックスな展開も、グイグイ引き込ませる筆力は流石。肉体的にも精神的にも大きく成長した慧一は、血の海を前にしてもまったく動じることはなく、凛とした佇まいが目に浮かぶよう。これほどまでにストイックな生き様は、怖ろしささえ感じさせた。2011/04/10
ロヒキア
5
読みやすくてスピーディなのに緻密で深い。終始飽きることなく物語が進んでいく。犯人か?と思わせるような書き振りで焦らす。まさにページー捲る手が止まらない。2022/08/09