内容説明
週刊誌記者・江田は、女性解放運動のカリスマ的指導者・英知恵子に注目していた。弱い女性の味方をうたい、企業に対するデモを過激に展開する英は、次々と浮気男を槍玉にあげていく。一方、華々しい活動の陰で、黒い噂が流れ、若い女性運動員が失踪!江田は英の虚像を暴くべく取材に奔走するが…。巧みに仕組まれた女性解法運動の虚構を鋭い筆致で描く傑作。
著者等紹介
清水一行[シミズイッコウ]
1931年東京向島生まれ。週刊誌記者などを経て、’66年に証券界の内幕を抉った『小説兜町』でデビュー。一躍ベストセラー作家となる。’75年『動脈列島』で日本推理作家協会賞受賞。経済小説、犯罪小説、ミステリー、サスペンスなど、幅広いジャンルで活躍。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まつうら
45
昭和40年代、男女平等とか女性解放とかの運動が始まったころの作品。当時のことは知らないので勉強になったが、恐喝まがいの手で不倫夫や浮気男を追い詰めていく主人公・英知恵子にとても違和感を覚える。そして、知恵子の運動を取り上げて発行部数を稼ごうとするマスメディアの態度も、浅ましいもので腑に落ちない。いまならSNSで炎上のうえ瞬殺されてしまうところだ。それでも、真摯に女性の待遇改善に取り組むのならば立派なのだが、知恵子の運動はただの売名行為。清水作品はどれもわりと好きなのだが、本作は乗り切れずに読了。残念。。。2023/10/14
影法師
0
★★★★2013/02/05
0612
0
★★★★2013/02/05
光雲
0
英智恵子の行き過ぎた女性解放活動はフィクションっぽかったですたが、江田がだんだんと英の犯罪行為を暴いていくのが痛快でした。ざまあみろという感じ。 同じ女性ながら英も由加里も鼻につくタイプで憎たらしかったです笑。 女性解放運動というテーマの小説は珍しいので読んでいてすごく新鮮で引き込まれました。 2012/06/16
iqo720
0
この時代に読むといろいろと新鮮。 ゲバルトって言葉は久々に聞いた。 経済小説というよりも、ファンタジーだと思うくらいが この作品についてはちょうどよい。 80年代当時に読んだらきっと新鮮だったんだろうな。2008/06/19