光文社文庫<br> 第三の女 (新装版)

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光文社文庫
第三の女 (新装版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334742492
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

晩秋のパリ郊外。時ならぬ嵐で雷鳴が轟き、バルビゾン村の古びた小さなホテルで停電となった。冥暗の中で、偶然出会った日本人の男女が過ごした夢のような時間。そして、誰にも明かすことのできない黙契が因で起きる動機なき連続殺人事件が、福岡につづき、箱根で。容疑者には完璧なアリバイが…。美しくも哀しい愛の行方。フランス犯罪小説大賞受賞作。

著者等紹介

夏樹静子[ナツキシズコ]
東京都生まれ。慶應義塾大学英文学科卒。大学在学中に『すれ違った死』が江戸川乱歩賞候補になる。1970年、『天使が消えていく』が再び江戸川乱歩賞候補。’73年、『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞。丹念な取材と繊細な心理描写、着想の斬新さで新テーマに挑みつづける。長年にわたり、水準の高い多彩な作品群を生み、2006年には第10回日本ミステリー文学大賞を受賞した。『第三の女』で、フランス犯罪小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

84
〔再読〕パリのフォンテーヌブローの森の小さなホテル、停電の暗闇の中偶々出逢った男女が、殺したい人物がいる事を告白する。心を通わせた2人は、暗闇の中お互いの顔も解らないまま、夢か幻の様な愛を交わす。日本に戻り、男の殺意の標的が殺害される。交換殺人が進行中である事を男は知るのだが、本作の特徴は共犯者となる2人が、会ってもお互いが解らない行きずりの間柄だということだ。夏樹氏の設定は正に独創的だが、物語はそれだけで終わらない。男はどの様に交換殺人をこなすのか、そして幻の女はいったい誰なのか、最後までロマンが漂う。2019/04/09

みっぴー

53
『そして誰かいなくなった』より、断然こちらを推します。交換殺人ものです。フランスで出会った二人が、お互いの顔も正体も知らぬまま、交換殺人の黙契を交わす。ハイソな雰囲気はやはり夏樹静子。階級社会や社会問題をうまく生かした無駄の無いロマンサスペンスに仕上げている。契約を交わした謎の女の正体は全く予想していなかったので、見事な伏線に思わず唸りました。飽きずに読めて、満足出来る作品です。2018/01/12

hiro-yo

24
日本人初のフランス犯罪小説大賞受賞作らしいです。フランスパリから始まる交換殺人サスペンス。夏樹さんの上質な言葉で綴られた展開からもヨーロッパの空気を感じました。 第三の女は意外な人物でした。2020/01/10

てつ

7
晩秋のパリ郊外から始まる幻想的な導入部。男と女の官能的な出会いと心のつながり。その行方は...幻の女の正体は...??が主軸になる。素直に読めば、幻の女の正体がなかなかつかめず、ハラハラドキドキ、ラストの仕掛けに「あっと驚く」となるのだろうが、謎解きは、さほど凝ったものではない。感情を移入し、深読みすれば面白い。しかし本格的ミステリーを期待する人には...2時間ドラマの域を脱しえないかも。2013/08/04

くろばぽん

5
史子は誰なのか、という謎の答えには素直に驚く。なかなか想像できない設定に、さすがは夏樹先生だなと。だけど、大湖の思考や行動が私の理解を超えていて、これだから男は全く~と、世の男性に叱られそうな感想を抱いてしまった(笑)。そりゃあ女性の情念のほうが怖いよね。2015/09/17

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