内容説明
「金の前で人は無力だが、同時に金の前で人間性を問われるのである。私は金の前で私という人間性をあますところなく晒された。そしてまた金の前で自滅していった多くの人間を見てきた。」莫大な借金を抱えて大阪を出奔。放浪の末、東京でタクシードライバーになる苛烈な運命を、子供時代から振り返った自伝的エッセイ。『血と骨』の原点がここにある。
目次
子供の世界と大人の世界
友人から学ぶ
心の部屋
金時鐘との出会い
多くの人間関係の中で
蘇った記憶
父を描く
人生のツケ
金の前で
ハイキングの夜
詩集の舞台裏
大阪の対談
韓国にて
ニューカマーたちの戦場
大阪曼荼羅
著者等紹介
梁石日[ヤンソギル]
1936年大阪府生まれ。著書に、『タクシー狂躁曲』(映画「月はどっちに出ている」の原作)をはじめ、いま映画化で話題の『血と骨』(第11回山本周五郎賞)、『夜を賭けて』『睡魔』など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バカ殿。
2
アパッチ族や血と骨の復習。つくづく著者は、凄まじ人生を送ってるなと感心する、写真付き面白い、現場行ってみようかなぁ2018/09/24
冨井 丸
1
★★★★☆ 一言で言えば、とても面白かった。思い出話を聞くのが大好きな自分にはドンピシャの内容。それが過激であればあるほど面白さも比例していく。しかも時代背景は一番の大好物の昭和中期。面白くないわけがない。当に波乱万丈。在日、貧乏、青春、夜逃げ、などなど面白キーワード満載。写真も作者の人生や当時の街並みにトリップ出来て良かった。文章にも写真にもなんだか胸を打たれた。2023/01/09