Kappa novels
名もなき毒

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  • サイズ 新書判/ページ数 461p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334076832
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

出版社内容情報

世界は毒に満ちている。
かくも無力で、守るべき者を持った私たちの中にさえ。

今多コンツェルンの広報室では、ひとりのアルバイトを雇った。編集経験があると自称して採用された原田いずみは、しかし、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、極端なまでの経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。

折しも、街では連続して起こった、無差別と思しき毒殺事件が多くの注目を集めていた……。

人間の心の陥穽を、圧倒的な筆致で描ききった、現代ミステリーの最高峰!
★第41回吉川英治文学賞受賞作

内容説明

今多コンツェルンの広報室では、ひとりのアルバイトを雇った。編集経験があると自称して採用された原田いずみは、しかし、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、極端なまでの経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも、街では連続して起こった、無差別と思しき毒殺事件が多くの注目を集めていた…。人間の心の陥穽を、圧倒的な筆致で描ききった、現代ミステリーの最高峰。第41回吉川英治文学賞受賞。

著者等紹介

宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年東京都生まれ。1987年、『我らが隣人の犯罪』で第26回オール讀物推理小説新人賞を受賞してデビュー。『龍は眠る』で第45回日本推理作家協会賞、『理由』で第120回直木賞、『名もなき毒』で第41回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。その他受賞歴多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

64
今多コンツェルンの広報室で雇った原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村は、極端な経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。一方街では無差別と思しき毒殺事件が…。誰の中にも大なり小なり毒はある。もちろん自分の中にも。そういうことを考えさせられる話でした。ただ、主人公?の杉村に魅力が感じられないのが残念。ドラマもやってましたけど見ていません。★★★

テクパパザンビア

61
面白かった。とても…。さすがとしか言いようのない横綱相撲みたい。10数年前の作品やのに色あせてない、名もなき毒が増え続けてる現在を予言してるように感じた。我々人間が毒なのだからに納得。2017/06/17

凡人太郎

52
宮部さんは,社会の様々な問題を現代小説に盛り込むのが上手いですね。 社会は,有毒物質のほかに,人間だけが持っている毒,「名もなき毒」が蔓延しているという。 確かに,程度の差こそあれ,自分の非を認めがらない嘘つき,強いては有ること無いことを理由につけ逆恨み的な言動にでる人はいますね。 連続毒物殺人事件などは,有毒物質と人間だけが持っている毒との融合の事件ですが,それだけでなく,人間の気持ち自体が毒にもなりえるということでしょうか。 読後感は良いのですが,途中は様々な毒まみれで少々気持ちが辛くなりました。2014/01/19

再び読書

47
流石の宮部さん、ってとこでしょうか?まさしく名も無き毒にこの世は満ち溢れている。特に原田いずみは恐すぎです。また外立の行動もやるせない。杉村のゆったりとした対処のスピードに全体が引きづられる様に、物語はゆっくりと動いて最期にうねる。久々に物語りの奥深さに唸りました。脱帽、次は模倣犯に戻っていきます。2013/11/05

akira

44
杉村三郎シリーズ第2段。 事件として、ここまで迫られたことはないかもしれない。起こる出来事とその裏に潜む人の心に戦慄した。 よく題材にあるような、毒物混入事件。よく題材にあるような、社内トラブルメーカー。それが宮部みゆきにかかると、ここまで闇を纏う。見える毒よりも、見えない毒か。 勝ち負けの基準の違い。論理の通らない人間との交渉は、一見勝負にさえならないようにみえる。しかし、論争としては勝ち、事実としては負ける。やはり、彼女を甘く見たせいだ。 「他人を意のままにしたという点では同じなのだから」 2014/04/03

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