内容説明
日本で暮らすイラン人としていつも悲しく思うのは、イスラムに対する日本人の過剰な拒絶反応だ。過激な反政府デモや核開発疑惑などから、イランといえば「危険なテロリスト国家」というイメージが染みついてしまっている。でも、イラン人はみんな日本が大好き。そんな「片想い」を少しでも「両想い」に近づけたい、本書はそんなキューピッド的発想から生まれた。陽気なイラン人たちが織りなす数々の珍エピソードを通して、本当のイスラム文化を知っていただけるはずだ。メディアは教えてくれない、驚きのイスラム・スタンダード。
目次
第1章 陽気なイスラム教
第2章 豚肉とラマダン
第3章 すべてはバザールと食卓にある
第4章 中東の恋愛不毛地帯
第5章 イランの罪と罰
第6章 学校という名の階層社会
第7章 アラブの中のイラン
著者等紹介
サラミ,エマミ・シュン[サラミ,エマミシュン][Sarami,Emami Shun]
1980年イラン生まれ。東海大学中退。首都テヘランで幼少期を過ごした後、父親の都合により10歳で来日。北海道帯広市で日本での生活をスタートさせる。吉本興業のタレント養成所・NSC東京校第8期生。2004年「デスペラード」を結成。漫才コンビとしてライブやテレビなどで活動の場を広げている。現在、TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」内「メキキの聞き耳」コーナーにレギュラー出演中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
91
著者は十才で来日したイラン人のコメディアンだ。イスラム教徒だから書けるネタ満載で、本を読みながら滅多に笑わない私が何度もニマニマしてしまった。断食期間中はアンパンマンの顔にモザイクが入るというお国柄にもかかわらず、著者の周囲ではサボったりズルしながら信仰しているのがとても愉快だ。とはいえ、断食、巡礼…どれを取っても私にはできそうもない。男女が合コンしただけで逮捕され、特に女性は死刑という過激さ。痴漢は手首切断、断食中の飲み食いはムチ打ちなど、シャリア法の厳しさは想像を絶する。心が富士の風穴より寒くなった。2015/06/21
mitei
67
タイトルの通りイラン人のおかしいところがよくわかって面白かった。しかし神様に許可をとったから戒律?を無視することをしているのは逮捕されそうだな。2012/05/22
ひかる
48
イラン人、面白すぎました。なかなかとっつきにくい題材にもかかわらずここまで読ませた文章力はすごいです。ラマダン中にはグルメ番組禁止、よって「アンパンマン」の顔面にモザイクが入る、というのは斬新すぎて笑えました。イスラム女性は、チャドルの下はバッチリメイクにストリッパー顔負けのセクシーランジェリーというのも興味深い。エロス(魅力)は布越しに発散されるもののようですよ。見習います。2013/03/29
HMax
31
「イランも核工場よりもビール工場を作れば良いのに。」。宗教マイノリティに対する保護の伝統もしっかりしているし、サウジアラビアよりも女性の進出が進み、ペルシャの古い歴史もある。ガチガチのイスラム教を少し緩めて、昔の良い感じのイスラムの生活に戻れないものか?2019/07/12
テツ
25
日本でお笑い芸人をされている(芸能関係全く詳しくないので存じ上げませんが)イラン人が語るムスリムについて。大学のときムスリムの留学生がいたけれど真面目で陽気な子だったなあなどと考えながら読了。イラン人やムスリムについてネガテイブな印象を受ける人はかなり多いのかもしれないけれど、当然ながら彼らのほとんどは原理主義者的な思想など抱いていない。信仰についても杓子定規なわけではない。同じ人間なんだからいいかげんな奴らも当然存在する。こうした当事者による面白エピソードは謂れ無いアレルギーの治療には良いかもしれない。2017/05/07