内容説明
一匹の妖怪が日本を徘徊している―「官製不況」という妖怪が。アメリカのサブプライムローン問題に端を発する世界同時株安。なぜ、日本の株価が“震源地”アメリカより大幅に低迷しているのか?欧米の金融機関に比べれば、日本の金融機関が抱えるサブプライム関連商品はそれほど多くない。また、企業収益や国内景気が特別に悪いわけでもない。本書は、外国人投資家にも広がりつつある「kansei fukyo」という言葉を軸に、様々な角度から日本株だけが「売られる」理由を解説していく。
目次
プロローグ
第1章 なぜ日本の株は下がり続けるのか?
第2章 モラルハザードと官製不況
第3章 なぜ「ワーキングプア」が増えるのか?
第4章 なぜ年金財政は破綻寸前なのか?
第5章 サブプライム問題と世界的なカネ余り
著者等紹介
門倉貴史[カドクラタカシ]
1971年神奈川県生まれ。エコノミスト。慶應義塾大学経済学部卒業後、横浜銀行のシンクタンク、浜銀総合研究所の研究員となる。社団法人日本経済研究センター、東南アジア経済研究所(シンガポール)への出向を経て、2002年第一生命経済研究所に移籍。経済調査部主任エコノミストとして、アジアやBRICs諸国についての論文を数多く発表する。’05年同研究所退社、’05年にBRICs経済研究所代表に就任。’08年度同志社大学院非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
35
経済におけるさまざまな問題がわかりやすく取り上げられている。シングルマザーだけでなくシングルファザーの問題にも言及してあるところに好感が持てた。2015/08/27
はせこー
3
門倉先生の本は本当に勉強になる。 無知こそが最大の罪だと改めて思わせてくれる一冊。2013/05/26
mako I
2
素人目に飛躍ているのではと思う所がありました。経済は専門外のため,説明不足なのか飛躍なのかはよくわかりませんが,その他の部分は経済の基礎的部分も噛み砕いて説明されている分かり易い本です。2010/10/26
としくん
1
【P.112】富裕層が豊かになるのは株価上昇によるところが大きく、それは人件費の抑制による企業収益の拡大が寄与しており、システムとしてどうしてもワーキングプアが必要になる➡︎トリクルダウン効果は実現しない 【P.153】あるひとつの世代を単独でみれば、どの世代でも現役世代に支払った年金保険料を上回る給付を、引退した後に受け取れる(平均寿命まで生きた場合) 【P.160】1973年、田中角栄が票取りに走り、年金給付の大盤振る舞いをしたことが、賦課方式・積み立て方式のいずれを選ぼうと、破綻する運命を決定付けた2016/08/15
hikokichi
1
いろいろ考えさせられました。結局自分の無力感を感じてどっと疲れました。2012/10/17