光文社新書<br> 20世紀音楽―クラシックの運命

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光文社新書
20世紀音楽―クラシックの運命

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  • サイズ 新書判/ページ数 446p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334033729
  • NDC分類 762.06
  • Cコード C0273

内容説明

20世紀音楽は、わたしたち人間とは何か、世界とは何か、生きるとは何か、あるいはよりよく生きるとは何か、なぜわたしたちは愛しあうのか…。そのような問いに答えようとしてきたのではないか。それは文学ほど具体的ではないかもしれないし、絵画をはじめとした造形芸術ほど直接的ではないかもしれないが、それでもなお、抽象的な音の連鎖に、音の戯れに、音の重なり合いに、あるいはそのひずみに、その屈折に、その絶叫のはざまに、世界と対峙し「わたくし」に問いかけようとする真摯できまじめな、わたしたちと同じ人間の肉声が聞こえてきはしないだろうか。20世紀クラシック音楽を俯瞰し、その展開と特質を描き出す。

目次

第1章 飽和(綜合芸術の夢とロマン主義の暴走、そして絶対音楽の完成;鳴動する宇宙;印象主義?象徴主義? ほか)
第2章 拡散(イギリス、イタリア―伝統と革新;壁のこちら側から向こう側へ;アメリカ―新大陸の音楽 ほか)
第3章 変容(忘れられたシンフォニスト;鳥の声と管理された偶然性;前衛の栄光と挫折 ほか)

著者等紹介

宮下誠[ミヤシタマコト]
1961年東京都生まれ。國學院大學文学部教授。バーゼル大学大学院博士課程単位取得博士論文執筆資格取得退学、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。専攻は20世紀西洋美術史、美術史学史、画像解釈学、一般芸術学。パウル・クレーに関する論考が多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

巨峰

15
少し前に読んだが、知らない曲ばかりでよくわからない。(2009年)その後この新書を手掛かりにたくさんの曲を聴きました。20世紀に作られたクラシック音楽を聴くのには、他に安価で手に入る類書がないだけに貴重なものだと思います。(2015年)2009/07/05

ヤギ郎

13
20世紀クラシック音楽を網羅的に紹介した一冊。作曲家という人の視点から個別の作品について解説している。人物&作品図鑑のようなつくりになっているため、本書の各セクションの概観説明をしっかり読み、作曲家の説明は流し読み。音楽についての本のため、楽曲を聞かないとわからないところもあるが、丁寧に解説していて非常に勉強になる。マイナーな作曲家や日本人作曲家の紹介もしている。本書を参考にいろいろな現代クラシックを聞きたい。2021/02/26

とす

4
難しい。セリアリズムという言葉、よく出てきたけれど知らなかったので覚えておきたい。現代音楽を聴こう!とはならなかったけれど、コンサートの最初に演奏される曲にもう少し注意を払おうと思った。少しは予習していくようにしようかな。アイヴズ、メシアン、マーラー、ショスタコーヴィチ、ストラヴィンスキーなど知っている人物も多くそれなりに楽しめた。2015/05/09

Kano Ts

2
20世紀クラシックの入門&ディスクガイドって感じですかね。20世紀音楽という膨大かつ広範囲な音源を俯瞰して紹介しているため、どうしても本格的な研究や考察を求めると肩透かしを食らうと思いますが、僕にはちょうど良かったです。気になった曲を聴きながら読み進めました。でもオペラだけは未だに進んで聞こうってなる曲がほとんどないんですよね…。特に前半の方にはよく出てくるし、いつかは聞いてみるべきなんだろうか…。唯一残念なのは自分が20世紀音楽で特に好きな武満徹とカプースチンがほぼ出てこなかったことくらいか。2022/11/25

サニジョプッ

2
ワーグナーからラッヘンマン、ポストミニマルまで。実はアメリカの作曲家ハリー・パーチについて知りたくて買ったのだが、その記述はほとんどなくてその点は期待を裏切られた。だが、それ以上に20世紀音楽の魅力を存分に伝えようとする真摯な記述、筆者の主観も表明しつつ世界的な潮流について踏み外さないバランス感覚に、いい意味で裏切られた。専門的教育を受けていない、20世紀音楽の一般的入門者にとってバイブル的存在ではなかろうか。本書のみで全てを説明しようとせず、音盤・映像や信頼できる評論の紹介に大きく頁を割く姿勢にも好感。2011/11/22

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