光文社新書<br> 「私」のための現代思想

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光文社新書
「私」のための現代思想

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  • サイズ 新書判/ページ数 262p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334033569
  • NDC分類 104
  • Cコード C0210

内容説明

自殺には、「正しい自殺」と「正しくない自殺」がある―「私」の問題を徹底的に考える。

目次

序章 「私」の問題とは何か
第1章 「私」を縛るものは何か
第2章 「私」はどこで、どのように生きているのか
第3章 「私」とは何か
第4章 「私」にとって、「他者」とは何か
第5章 「私」が「生きる/死ぬ」ということの意味

著者等紹介

高田明典[タカダアキノリ]
1961年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。早稲田大学大学院理工学研究科博士後期課程単位取得満期退学。フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちさと

32
自由が失われていると感じる時、人は辛さを感じる。不承不承の判断ではなく自分の正しい判断が許容される「正しい居場所」に居られる時、人は生きた心地がする。現代社会に生きづらさを感じ、哲学的な「私とは何か」「生きる/死ぬとは何か」と自問する人たちに向けて、現代思想の系譜に従ってその問いを解説していきます。とても論理的に話が進むので、癒しや優しい言葉が欲しい人には向かないでしょう。でも自分の居場所をつくり上げる勇気が少しだけもらえるかもしれません。2018/09/14

ナマアタタカイカタタタキキ

30
帯には往々にして詐欺紛いなことが書いてあるけれど(笑)、自殺云々にもきちんと触れていて、主な内容は“私”をより深く理解することを目的としたもの。個々の哲学者の概念や考え方について、無学な私でも混乱しないよう、抽象的な事柄も細かく噛み砕いて解説されているので、これなら他人にも気軽に薦められる。それでも4章からは私には難解で、特にレヴィナスの“実存者”の“実存すること”からの位相転換についての項は、ページを行き来して漸くわかったような気がしないでもない程度。ただ、2章辺りまでだけでも、充分読む価値はありそう。2020/05/04

ラウリスタ~

20
自殺禁止はキリスト教本来ではなく、アウグスティヌスがパイドンから論証(アルヴァレス曰く)。神の位置に「真理」がつき、今ではその「真理」も否定される。フーコーの「生政治」、『サイコパス』の世界だね。「大きな物語」を失ったポスト・モダン(リオタール)、でも「小さな物語」を各自が持たなければ生きていけない。いかに、大きな物語なしで小さな物語を信じるか(そして物語を生きている人は辛くはない)。社会aから逃れる為に反社会的勢力bを作っても、今度はそのbに拘泥してしまう。他者の了解不可能性を認識、共振し社会を所有せよ2018/03/04

harass

20
 現代思想のエッセンスを足がかりに著者が「私」とはなにかとどう生きるべきかを考察する。現代思想のいくつかの用語概念が明快に解説してある。それらをベースに使うことで私と他人や社会との関係を語っていて、刺激的で楽しめた。いかに生きるかというテーマがあり、雰囲気としては自己啓発に近いかと。この本は登山のように著者の論じることを順番に追っていくのが正しい読み方だ。疑問に思う箇所はそのままで。個人的にヴィトゲンシュタインの『超越確実性言明』に痺れた。極限の根拠ということか。信仰の本質を新鮮に焼き直している。天才だ。2014/01/21

テツ

17
「私」について様々な思想を紹介しながら考えていく。現代思想や現代哲学の基本的な部分をなぞりながら進んでいくのでこの手の本に慣れていなくてもそれなりにわかりやすく楽しめそう。「私」と「私以外」との間に広がる絶望的な断絶に初めて気づいた幼い頃には震え上がるくらいの恐怖を覚えたが、そんな激しい感覚は年齢を重ねるごとに小さくなっていった。「私」という存在はどう在るべきか。どのように「私以外」と対峙しながら生きて、どのように死んでいくべきなのか。この宇宙史上(おそらく)一度切りの「自分」から開かれた世界の不思議さ。2022/10/06

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