光文社新書<br> 英語を学べばバカになる―グローバル思考という妄想

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英語を学べばバカになる―グローバル思考という妄想

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  • サイズ 新書判/ページ数 250p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334033088
  • NDC分類 830.7
  • Cコード C0236

内容説明

「アメリカ型のグローバル・スタンダード」だとか「グローバリゼーションの世界的標準化に対する備え」だとか「英語公用語論」だなどと言われれば、とにもかくにも英語を学ばなければ、この先の世の中で生きてゆくことはできないと感じてしまうかもしれない。今からでも英会話を始めなければ負け組になってしまうと心配になるかもしれない。あるいは、自分はもう無理でも、せめてわが子にだけは是が非でも英語を身につけさせてやりたいと願うかもしれない。しかし、あえて断定的に言おう。これらの主張や懸念は、どれも幻想である。妄想だとさえ言える。膨大な時間と大金をつぎ込んで英語を学ぶことにどれだけの意味があるのか、今一度、一人一人が冷静に考え直してみて欲しいと思うのである。

目次

第1章 英語をとりまく状況(英語で言えばエラい?;英語=世界標準には根拠がない ほか)
第2章 英語支配の虚像(国際標準という“長い物”;「グローバル化」と「世界」と「英語」の混同 ほか)
第3章 アメリカ妄想(「ソフト・パワー」は英語の支配力を維持するか;「アメリカ=民主主義国」は世界の共通見解ではない ほか)
第4章 英語学習と言う徒労(なぜ日本人は英語ベタなのか;英語ができなければ、この先生きてゆけないのか ほか)
第5章 グローバル化幻想(グローバル化のつもりが英語世界への「閉じこもり」;アメリカに反旗を翻しはじめたヨーロッパ ほか)

著者等紹介

薬師院仁志[ヤクシインヒトシ]
1961年大阪市生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程(教育社会学)中退。京都大学教育学部助手、帝塚山学院大学文学部専任講師を経て、’98年より帝塚山学院大学文学部国際文化学科助教授。主な専攻分野は社会学理論、現代社会論、教育社会学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かしまさ

12
グローバル化→英語(→アメリカ)の嘘を徹底的に暴く本。そこまで言わんでもというくらいアメリカdisってる。日本の外に目を向けるのは重要だけど外ったってアメリカ以外にたくさんあるじゃないですか、ということをずっと言っている。グローバル化に必要なのは本当に英語力だけなのか。個人的には「パソコンスキルを磨いて就活を有利に進めよう」と同じ論理だと思う。まぁ...害にはならないね。2020/10/25

ひろき

8
本当に英語学習必要ですか? 英会話をはじめなければ「負け組み」。英語が世界共通語。これら日本人の一般常識となっている幻想を徹底的に覆す本。加えてグローバル化の危険性も訴えている。ソ連の脅威がなくなった昨今。進むアメリカ離れ。EUでは参加国全ての穂国語を尊重している。英語をと同じくらいイスラム語も話されている。本当に英語がグローバルスタンダードなのか?そもそも人口一億を超える日本で全ての人が英語を話す必要があるのか?好きだから。以外の理由で英語を学んでいる人は是非一読を。2011/09/28

Humbaba

8
英語はあくまでもひとつの言語でしか無い.そして,日本人が英語を苦手とする最も強い理由は,それを必要としていないためである.もしも必要な状況に置かれれば,人間はそれを身につけるものである.なぜ自分は英語を学ぼうと思うのかを問い直す必要あるだろう.2010/12/20

フリスビー

7
アメリカは特殊で、アメリカ英語も世界標準などではなく、それに異常なほど追従し続けている日本も特殊な国になりつつあるという危機感を持った。データでは、職業人でも英語がないと業務に支障が出るのは1%未満。1億人以上が母語を話す日本では、母語での読解力やコミュニケーションがはるかに重要で、必要ができたらそれぞれの言語を学べばよい。英語に偏ると、情報も偏り、国の政策も偏ってくる。ルクセンブルグのように人口が少なくて母語だけではやっていけない国もあるのだから、巨大市場である日本語をもっと大切に使いたいと思う。2018/04/01

サメ社会学者Ricky

7
英語大好きな人間であるが、あえて読んでみた。自分とは相反する主張っぽい本を読むのも読書家として大事である。アメリカを世界基準や最先端と勝手に捉える傾向が日本にあるのは、私も同意できる。しかし、英語への偏りや盲信が米国至上主義的なものを生み出したという著者の主張は、日本人の英語能力の低さを考えたときに論理的に矛盾する。むしろ、英語に限らず外国語への理解がなく異文化への関心もない日本人が、そう言った誤った考えから脱出する機会を失う場合もあるだろう。色々と確認して論じたいことがあるので、また読むとしよう。2015/02/18

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