内容説明
大本営発表を定義づけるなら、「太平洋戦争の期間中、陸軍・海軍の統帥機関である大本営が国民に向けて発表した戦況報告」ということになる。しかし、あの時代「大本営発表」は、単なる戦況報告を超えて権力そのものだった。国民は外からの情報がシャットアウトされた空間に押し込まれ、意図的な情報のみを一方的に押しつけられた。そして、そのあげくに、日本は解体寸前にまで追い込まれたのである。往事の軍部指導者は、なぜ「客観的事実」を見ることなしに事実を糊塗しようとしたか、その表現はなぜあれほど無味乾燥な画一性をもっていたか、そして当時の国民は大本営発表に対してどのような反応を示したか。これらの問題点を、今改めて問うことが必要ではないだろうか。
目次
第1章 内容とその特徴(第一回目の衝撃;「からだが透明になるような感じ」 ほか)
第2章 組織とその責任(表の業務、裏の業務;言論弾圧の最前線 ほか)
第3章 思想とその統括(悩める知識人;東条がつくった国民囲い込みの「外壁」 ほか)
終章 大本営発表の最期(シビリアンコントロールの「産みの母」;マスコミ、そして国民が問われるべき責任)
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、北海道札幌市生まれ。同志社大学文学部社会学科卒業後、出版社勤務を経て著述活動に入る。日本近代史(とくに昭和史)の事件、事象、人物に題材を求め、延べ四千人余りの人々に聞き書きを行い、ノンフィクション、評論、評伝などの分野の作品を発表している。また、医学・医療を社会的視点から問い直す作品も発表している。現在、昭和史の資料や証言を次世代にのこすべく「昭和史を語り継ぐ会」を主宰、年二回の『昭和史講座』、年一回のブックレットを刊行している。立教大学非常勤講師、朝日カルチャーセンター講師を務める
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