内容説明
代理母はガンになりやすい?バイオ大国アメリカはなぜ反対するのか?二つのクローンとは?批判する側が陥ったジレンマとは?日本はどのようなスタンスをとっているのか?受精卵は誰が提供するのか?一体、誰のためのクローン人間か?―気鋭の科学ジャーナリストが、マスコミでは語られない真の意義と問題点に鋭く迫る。
目次
第1章 誰のためのクローン人間か?
第2章 クローン技術の正体
第3章 クローン人間批判の落とし穴―優生思想
第4章 クローン神話の崩壊
第5章 政治とクローン―バイオ先進国アメリカのスタンス
第6章 “万能細胞”の研究が始まった
第7章 卵は誰が提供するのか?
第8章 ヒトクローン胚、是か非か?
著者等紹介
粥川準二[カユカワジュンジ]
1969年生まれ。編集者を経て、’96年よりフリーに。医療、食糧、環境など、科学技術と人間社会との関係を独自の視点から取材、執筆を行う
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
4
クローン人間は,問題となっていることが幾つかある.しかし,マスコミの主張はほんとうに正しいのだろうか.倫理的な問題だけではなく,健康面を問題視している事が多い.しかし,それが問題の本質になり得るだろうか.たとえ健康問題が解決したとしても,倫理的な問題が残り,それこそがクローン問題の本質となるだろう.2011/05/02
takao
2
ふむ2024/04/07
がっち
2
SFが科学になるときを今感じる。クローンの倫理的問題としては、人が人として扱われなく可能性があるというところであり、これからこれをどのように使っていくのか。遺伝子だけがよくても全く同じような人間は生まれないだろうなって思うけども。2013/06/05
かつばやし
1
斜め読み。倫理的な視点から見るクローンの問題は非常に難しい。8年前の話だったので現在はどうなっているか興味深い。2011/05/17
弓月紺
1
思ったよりも倫理的な問題を取り上げていた。最先端技術によって、今までSFで語られてきた世界が現実のものになりかけている今、人々の欲望はどこまでいくのかと思う。切実にクローン技術を求める声もあれば、利己的に欲しがってる人もいる。その線引きをするのは酷く難しいし、善悪つけがたい。神の領域に手を出しているという声もあるだろうが、現実に遺伝子組み換えは人間以外で多数行われていて、人間だけを特別視するのもおかしいし。この本は2003年のものdが、倫理的問題についてクリア可能と言われるiPS細胞を考える道筋にもなる。2009/12/31