カッパ・ビジネス<br> 日本資本主義崩壊の論理―山本七平“日本学”の預言

カッパ・ビジネス
日本資本主義崩壊の論理―山本七平“日本学”の預言

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  • サイズ 新書判/ページ数 197p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784334012656
  • NDC分類 304
  • Cコード C0230

内容説明

すべての問題の本質は、仏教vs.キリスト教の矛盾・対立にある。

目次

1章 腐った資本主義の精神―ソ連、アメリカ、日本の病根
2章 仏教資本主義とキリスト教資本主義―働く者は救われるのか、救われないのか
3章 金儲けは善か悪か―山本七平氏の預言が解明した日本資本主義の大矛盾
4章 かくて日本“ゾンビ”資本主義は崩壊する―精神を失った日本企業は、暴走する帝国陸軍だ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中年サラリーマン

11
昭和55年刊。その時代にソ連崩壊や、中国が世界の工場となり労働力を開放するだろうという予測は凄いと思う。日本型資本主義がうまくいかないのも今で言うと「空気」みたいなものが支配することによってみたいな感じのことが書いてあるがこれもはずれてはいないと思う。あと、プロテスタントからの資本主義の芽生えと日本が資本主義を導入できたことに関する推察はさすがです。2013/10/21

yamamiki

7
数ある小室学説の中において、この本は近代資本主義の発生プロセスと今後の進展に特化した内容となってます、超傑作です。これだけの内容をカッパブックスという新書版の中において惜しげもなく盛り込め得た書物群は今後出てこないだろうな。マックス・ヴェーバー理論ープロテスタントによる行動的禁欲が近代資本主義を発生させたーを判り易く解きながら、何故キリスト教国でなければ資本主義は発生しえなかったのかということを論理でもって明確にする。しかも、さらに、そこから踏み込み、例外としてキリスト教国でない国で唯一近代→続2016/04/05

うえ

5
「カルヴィニズムが出て来る前の中世ヨーロッパにおいては、カトリック修道院の中において、修道士たちは、すでに、神の国の労働者として訓育されていた…この世俗外的な修道士的禁欲が引っぱり出されてきて、世俗内的な職業禁欲になる。そのための契機となったのが、カルヴィニズムなどの禁欲的プロテスタンティズムの倫理であった。しかし、仏教には、右の修道士的禁欲=祈りかつ働け「働かざる者食うべからず」に該当する思想は皆無である。仏教教団内においては、本来、労働は厳禁されていた」2015/08/19

じょに

2
「資本主義を成立させた原理は行動的禁欲である」という超基本テーゼがどのくらいの射程を持つかを改めて思い知るのにイイ。ポイントは「労働=禁欲=救済」が結びつく論理を備えているか否か。キリスト教はカトリックに既にこの論理は内在していたのに対し、仏教はそもそも上層階層に対する説法に端を発していたので、この2つを結びつける論理をもたなかった。日本でこの間を埋めたのは鈴木正三だった。これは西欧の「解釈者革命」と「世俗化」に相当する革命的出来事。これは「仏法を世法」にしたのではなく「世法を仏法」にしたことを意味する。2009/04/28

MIRACLE

1
山本七平の著作『日本資本主義の精神』を、方法論学者たる著者がウェーバー理論によって検討し、その成果を発展させ、理論的・方法論的に改良を加え、日本資本主義の運命を論じた本。筆者は山本がとりあげた江戸初期の禅僧、鈴木正三の教えに、西欧における資本主義の精神の同等物をみとめている。しかし、西欧の一神教と日本のアニミズムは水と油なので、筆者の議論は誤りである。労働も仏行という見解は、もはや仏教ではなく、邪宗門である。また、近代資本主義の成立はウェーバー理論では説明できない(隣人愛から利潤を肯定するのは無理)。2016/09/05

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