内容説明
69歳から96歳へと向かう団塊世代。私たちは社会のお荷物で終わってはいけない。
目次
はじめに 好き 好き
1 生きること 老いること(慎む;呼気で終わる ほか)
2 ぼくらの時代(ドーナ ノービス パーチャム;母を語る ほか)
3 心を支えるもの(早春の夜の屋上;人々は桜に見守られ ほか)
4 団塊世代の行方(団塊世代の夢;めざせ、めざせ、あの荒凡夫を ほか)
著者等紹介
徳永進[トクナガススム]
臨床医/野の花診療所、医師。1948年、鳥取市生まれ。京都大学医学部卒業。京都、大阪の病院・診療所を経て、鳥取赤十字病院の内科医に。2001年12月、鳥取市内にてホスピスケアのある19床の有床診療所「野の花診療所」を始める。人のさまざまな死の形を臨床から報告してきた。鳥取市にセミナーハウス「こぶし館」を建築して27年になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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しゃが
22
気になる医師のおひとりのエッセイ。同じ世代でもあり、「そうそう」と言いながら読んだ。医師の部分で留めたものは「皮膚の孤独。人は一枚の皮膚で包まれる。生命体は皮膚で区切られて独立し、孤独となるため、皮膚は相手の孤独を求める。皮膚が皮膚に触れるとき、ある種の感情がわく。恐い、けがわらしい、温かい、やさしい、不思議な快感を覚えるなど、思ってもみなかった感情が生まれてくる。皮膚が皮膚を包むとき、安らぎが生まれる。…手のひらは柔らかい、そして弱い。人は弱いところを使って心は交流する。」納得だった。 2015/12/20
donky
1
診療現場にいる徳永先生の、自身を含めた人間への観察から見えてくる孤愁は、身体という外形にも反映しているとの認識でしょうか。団塊世代が高齢化した中で、彼らが享受した知識もある意味相対化される。