内容説明
一徹の手打ち蕎麦・やぶ忠と、多くの文士に愛された天麩羅・勇幸、二人の名料理人が語る日本のソウル・フードと昭和モダニズム。
目次
蕎麦通(村瀬忠太郎)(総説;蕎麦の産地;関東地方の概況;蕎麦粉の話 ほか)
天麩羅通(野村雄次郎)(天麩羅;天麩羅の種;天麩羅の材料;天麩羅の揚げ方 ほか)
著者等紹介
坪内祐三[ツボウチユウゾウ]
1958年東京都生まれ。評論家。早稲田大学文学部卒業、同大学院修士課程修了。雑誌『東京人』編集者を経て文筆の道へ。2001年『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り』(マガジンハウス、現・新潮文庫)で第17回講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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西澤 隆
1
なんとも直球すぎるタイトルに「?」と思って手に取ったら、昭和5年の本を現代仮名遣いに直した本とのこと。さらに著者については巻末で「ご遺族やご関係者に関する情報をお持ちの方は、編集部までご連絡ください」とある。そんな、今は喪われてしまった過去の名店のご主人の話をまとめた本です。たとえば「蕎麦通」を語るのは、江戸末期の安政年代に生まれたご主人。どこか主人が呑みながら蘊蓄を語るような面もあれば、紙数が余ったのか終盤では俳句や芝居の中の蕎麦を並べて埋めてある。それがまた、今となっては資料的で面白いのです。2012/06/24