内容説明
辰蔵はある事件により人別帳からはずされ、「帳外者」として村を追放される。江戸で生きようとするが、博打場のいざこざから用心棒の浪人を斬ってしまう。ところが、なぜか火付けの罪で牢に入れられてしまう。いわれのない罪ゆえ拷問にも耐えるが、裏の顔を持つ同心に釈放される。仲間として要領よく生きるよう、同心らに執拗に誘われるが、「自分は自分」と断る。しかし、手を掛けた浪人の妹に同心の手が伸びてきて…。己を信じて、必死の愛に生きようとする若者を描く青春物語。
著者等紹介
押川國秋[オシカワクニアキ]
1935年宮崎県生まれ。中央大学法学部卒。東映脚本課を経てフリーの脚本家に。「遠山の金さん」「人形左七捕物帳」「旗本退屈男」などの映画・テレビの脚本を手がける。1999年、『十手人』(講談社文庫)で第10回時代小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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