内容説明
『日本書紀』の中で、神武天皇を熊野からヤマトに導いたとされるヤタガラス(八咫烏)。今では日本サッカー協会のシンボルマークとして有名で、「世界最古の秘密結社」とも「裏天皇」とも囁かれるヤタガラスの正体を冷静に探ると、どこに行き着くのか?『日本書紀』の編者は、なぜヤタガラスを登場させる必要があったのか?「ヤマト建国」の謎に迫る問題作。
目次
第1章 八咫烏と神武天皇(なぜサッカー協会のシンボルマークが八咫烏なのか;カラスは霊鳥とみなされていた ほか)
第2章 なぜ神武は熊野に落ち延びたのか(なぜ大森林の中心に社が建てられたのか;人の遺骸を食べ魂を運ぶ鳥 ほか)
第3章 ヤマト建国の真相を知る八咫烏(ヤマト建国は謎だらけ;邪馬台国論争は一度無視しよう ほか)
第4章 八咫烏の正体(賀茂建角身命は葛城から北に移動している;八咫烏は賀茂氏の職掌から創作された? ほか)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
歴史作家。1959年千葉県柏市生まれ。1991年に衝撃的デビュー作『聖徳太子は蘇我入鹿である』を発表以来、古代をテーマに意欲的な執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こつ
10
神武天皇を導くヤタガラス、その正体に迫ります。神話なので色んな解釈ができそうですが、古事記と日本書紀の違いに隠された編集者の本音や古代のあちこちの勢力など面白い角度から考察されてました。2023/01/14
袖崎いたる
5
八咫烏について考えていたところ見つける。ミステリー小説仕立てで書かれているのは、日本書紀から古事記を読み込んでいくこと。つど参照される考古学の成果によって、神武天皇やヤマトタケルなどの空想上とも思われる人物を現実味のある形へと肉付けていくこと。結果、八咫烏の正体に辿り着く。神話を史実に置き換えていく想像力は流石。卑弥呼が神功皇后と対決して滅ぼされていたという「事実」にはびっくり。2022/03/20
黒蜜
1
まーまーですかね。想像力に富んで面白いですが、想像力で突っ走ってる感じ。略歴を見るとアカデミーの人ではないし、出身大学や専門も書いてない。ただ、海運ネットワークや東(と言っても名古屋あたり)の勢力の重要性を入れてるあたりが面白いところかしら。まぁ既存の研究成果がわからないから、どこまで最新研究を取り入れた本なんでしょうかって、参考文献を見たら、えぇぇ!とびっくりするわ。何が本当かしらと疑いながら古代史の謎に触れるには良いと思います。2018/07/04
ごいんきょ
0
ヤタガラスがなんでも構わないけど、ヤマト建国の推論は面白い。2016/10/03
秋はeuglena
0
結局?よくわかりませんでした。2016/07/11