内容説明
岩手県陸前高田市、宮古市、釜石市、宮城県気仙沼市、石巻市、福島県南相馬市、浪江町、飯舘村など各地で撮影。櫻と笑顔に明日を見る被災地の櫻が築く復興の礎。
著者等紹介
青柳健二[アオヤギケンジ]
写真家。1958年山形県河北町生まれ。山形大学工学部卒業。中国少数民族、メコン河流域を撮影。その後は日本を含むアジア各地の稲作文化、とくに棚田とそこに暮らす人々を撮影し、新聞、雑誌、写真展で発表。棚田学会会員
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
小説家・臨済宗福聚寺住職。1956年福島県三春町生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒業。大学卒業後、さまざまな仕事を経験したあと、京都天龍寺専門道場に入門し、2008年より福聚寺住職となる。2001年「中陰の花」で125回芥川賞を受賞。僧職のかたわら、精力的に執筆活動を行なう。2011年4月から2012年2月まで、東日本大震災復興構想会議委員をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てんちゃん
35
読友さんお勧めの本。地元の図書館にあったので、すぐに手に取ることができました(書庫だったけど(T-T))。あの未曾有の震災のあとにも、花は咲き、人が集い、人が笑った。「咲く」と書いて「わらう」とも読むそうです。東北人の特徴である「雄々しさ」「親愛の情」「祈り」の象徴のような「櫻」。櫻には周囲を賑やかにする力がある。泣きながらも笑って、人は歩み続ける。痛ましくも美しい被災地に咲く櫻の姿。玄侑さんの文がこの写真集を重みのあるものにしています。3月だけでも書庫から出して欲しい。2017/03/20
なかちゅう
12
【東日本大震災・あの日を忘れない】再読。もともと桜が好きで季節になると、地元の一本桜を訪ね歩くのですが、この本の中の2011年にとられた櫻の写真は別格です。訴えかけてくるものが違う。波をかぶり、ずたずたにされながらもなお咲く花。根元に流れ着いた瓦礫を覆うように抱え込むように咲く桜並木。漁の網をかぶったままそれでも花を咲かせる木。このうちの何本かはこれが最後の花だったかもしれません。それでも生命力を振り絞って咲く櫻が東北の人たちを思い起こさせました。そして花と笑顔は光を届けてくれるように思います。2017/03/12
なかちゅう
12
玄侑さんの文章のなかにあったのですが、『咲』という感じには「わらう」という読み方もあるのだそうです。表紙は3.11から一年後の石巻、満開の櫻の花の下で笑う女子学生たち。東北地方の歴史を振り返れば、繰り返される天災・人災の山。それでも営々と日々の暮らしを営み続けてきた人たちの「雄々しさ」が、この表紙の写真にあるような気がしました。津波に折られた木の幹に咲く数輪の櫻の花。根元には押し寄せた⇒(4/27修正)2016/04/26
ikedama99
5
再読しました。2012年の櫻、次に2011年の櫻の写真がありっます。1年で変わるもの、変わらないものなどもあり、今はどうなのかと思ったりします。この目で見たいと思っていったのが2013年でした。自分の目で確かめたいと思っています。2017/03/15
まげりん
4
2年前に見た(と言ってもテレビでですが)被災地の桜が美しかったのを思い出しました。がれきの中にも咲き続ける桜、「がんばれよ!」って背中を押してくれるような光景でした。2年前と昨年と同じように撮影しているのに、もう花がついていない桜。最後の力を振り絞って咲いてくれたのかと思うと、胸が熱くなりました。2013/04/17