内容説明
陸奥に咲き誇った黄金王国の盛衰。平安時代も末、都では藤原氏の権勢が盛んな頃、奥州では藤原清衡が藤原関白家に貢物を献上して主従関係を結んで以来、奥州藤原氏を名乗っていた。その3代目秀衡は、父基衡の死後、支配の基盤の安定のため、占い師宗旦を殺し、異母兄の乙太夫を焼き殺し、ひとつずつ禍根を絶っていった。秀衡は、都に台頭してきた平家の走狗になることを避け、奥六郡の君主としての誇りを高めていくうち、鞍馬山で源義経に会い、彼に奥州の未来を託そうとするが…。黄金の王国を築こうとした北の武者の一炊の夢を描いた本格歴史小説。