内容説明
昭和19年、敗色が濃くなった日本と日本軍占領下のフィリピン。大東亜共栄圏という“高き理想”を心から信じる19歳の森武義二等兵と占領日本軍の通訳を強いられる日比混血青年ムラカミ・ラミール。二人を待ち受けていた運命とは?ルソン島のある村で起きた哀しくも美しい物語。
著者等紹介
ブレット,フィスク[ブレット,フィスク][Fisk,Bret Prescott]
1972年アメリカ合衆国生まれ。ユタ州とカリフォルニア州で育ち、1991年に初めて来日する。倫理学や日米関係史に興味をもち、様々な歴史問題に取り組んでいる。2010年、第二次世界大戦中に日本が受けた空襲についての知識を国際的に広めるため、「日本空襲デジタルアーカイブ」をニューヨーク市立大学のカラカス・ケリー准教授と設立する。現在神奈川県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さらひめ
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突然貸してくれたので仕方なく読んだけれど、結構つらかった。何を思って貸してくれたのか、今もって謎である。2011/04/26
watershed
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きっかけはアルクのヒアリングマラソン。太平洋戦争の日本の空襲被害のアーカイブを運営している人として紹介されていた。 胸に迫るシーンが随所にある。戦場に向かう前の兵士と新妻の会話が静かで美しい。純朴な少年兵が戦場の現実に押し潰されて堕落、崩壊していく様が辛すぎる日本語を母語としない作者の日本語作品で初めて軍人勅語がどんな文章だったのかを知ったということも面白い。