感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あ げ こ
10
蒐集者=書く手と分かち難く、それこそ一緒くたになってしまうような結び付き方、複雑に絡まり合うようにして結び付いてしまっている、誰のものであるのか、いつのものであるのか、最早出自も境目もわからない、けれども書く手の内より引き出されていく膨大な量の記憶や知識や言説や幻想。まさしく血肉のような。混ざり合って縺れ合って強固で確かなものと化したそれらが書かれて行くということ。作品が作られつつあるさま、作られて行くさまを目の当たりにして、作品を今まさに作り上げつつある書き手の手に限りなく近づいた気がして、圧倒される。2023/09/22
刳森伸一
1
下巻は『当世女』や『パリの夜』などで有名な作家レチフと神秘主義者のオークレールの評伝を所収。レチフの評伝は上下巻合わせて最も長く読み応えがある。フェティシズムに彩られた恋愛人生が面白い。2019/10/31