内容説明
本書は、英語の語彙について多角的・重層的な考察を試みたものであり、英語語彙の構造と歴史、語の意味規定、文法上の機能、文学作品中での性格、辞典における扱い方など、英語の語彙の諸相に関心を抱く広い読者層の期待に多様な形で応えるものである。
目次
1 英語語彙の意味と構造(動詞の意味構造の類型規定のための試み;語彙と伝達;過去と未来、前と後;現地体験と英単語理解の深化)
2 英語語彙と文法(非現実的願望を表すwithのあとの接続詞thatの出没;能動受動態;他動詞と態)
3 英語語彙と歴史(Wulfstanの語彙に見るデーンローにおける古期ノルド語受容の一つの相;古英語の認識動詞とその歴史的背景;英語におけるヘブライ借入語;マジックの語源)
4 英語語彙と辞場(英米の英語辞典と語彙;英和辞典における発音表記;語学者としてのサミュエル・ジョンソン概観)
5 英語語彙と文化(チョーサーの詩語における英文学の伝統;ワーズワスの物言わぬ田舎の人々―『抒情歌謡集』の詩的言語;マザーグース語彙の特性―archaism,dialecticismその他;日本人の英文に見る語彙の問題―「英語名人世代」を中心に)