出版社内容情報
マラルメの、ことばとイマージュの探究がもつ創造的拡がりを、抒情と抽象をキーに、同時代の芸術・文化の総合的地平で捉える試み。マネや印象派(モネ、ドガ)など近代芸術との関わりに始まり、後期印象派(ルノワール、セザンヌ)、象徴主義(モロー、ルドン、ゴーガン)、アール・ヌーヴォー、ジヤポニスムと関わる現代芸術への推移、文学と美術の音楽性への志向(マチス、カンディンスキー、ピカソ、ブラック、ドビュッシー)―マラルメを軸に、芸術諸ジャンルの交流と融合、日本文化との関わりなど、19世紀末~20世紀の動向が、ダイナミック
内容説明
マラルメの「ことばとイマージュ」が紡ぎだす創造的拡がりと芸術家群像。近代から現代へ、文学と美術と音楽の交歓。日本文化をも含む総合的地平で捉えたダイナミックな比較芸術論。
目次
第1部 マラルメの詩学―ことばの芸術(芸術要素としての「語」;創造性の在り方―音楽性に基づく抽象的特質;詩的様態―「花」と抽象的動性、あるいは詩のことば ほか)
第2部 マラルメと同時代の芸術家たち―近代芸術の流れ(マラルメとマネ;マラルメと印象派の仲間たち)
第3部 マラルメと彼をめぐる芸術家たち―現代芸術への推移(マラルメと後期印象派;マラルメと象徴主義者たち;マラルメとアール・ヌーヴォー)
第4部 マラルメの先駆的価値―「近現代芸術の三つの幹」(マラルメとセザンヌ以降の芸術―純粋造形のゆくえと世界に対するヴィジョン;マラルメとドビュッシーをめぐる音楽―音の探究と外界に対する感覚;ヴォリンガーの思索―抒情と抽象、マラルメの根本的価値)