出版社内容情報
医療現場におけるコミュニケーションの重要性が唱えられて久しい。しかしなにがコミュニケーショントラブルの引き金になっているのかよくわかっていない。本書は、実際の診療の録音・録画データに基づいて、医師、看護師、患者のコミュニケーションの取り方に、会話分析の知見から具体的な指南を与える。
内容説明
診療場面の中で患者が抱える不安やジレンマとは何か。それらを解消するためのコミュニケーションとは?
目次
第1章 序論―プライマリ・ケア診療における医師‐患者間相互行為の分析
第2章 患者の心配事を引き出すこと
第3章 受診について説明すること―受療行為の理由づけ
第4章 病気であると気づくこと―症状の発見についての患者のナラティブ
第5章 病気について説明すること―患者による提案と医者の応答
第6章 病歴に関して問うこと―問診中の質問行為
第7章 身体のワーク―臨床上の対象の協同的な産出
第8章 診断について―コミュニケーションすることと応答すること
第9章 診断的合理性について―悪いニュース、良いニュース、および残った微侯
第10章 治療方針の決定―小児科診療における医師と両親の交渉
著者等紹介
ヘリテッジ,ジョン[ヘリテッジ,ジョン] [Heritage,John]
カルフォルニア大学ロサンゼルス校社会学部ディステングイッシュトプロフェッサー(特別教授)。主な研究分野は会話分析、特に医療やマスコミなどの分野において応用的な研究を行っている。コミュニケーションや相互行為に関して130を超える学術論文を執筆、そのうち50を超える論文がプライマリ・ケアの相互行為に関するものである。Robert Wood Johnson Clinical Training Programの開発など医学部でのコミュニケーション教育にも尽力し、医療関係での講演を多数こなす
メイナード,ダグラス[メイナード,ダグラス] [Maynard,Douglas W.]
アメリカウエスコンシン大学マディソン校社会学部においてConway‐Bascom特別教授、Harold & Arlene Garfinkelフェローを兼任。主な研究分野は、エスノメソドロジー、会話分析であり、医療、社会調査、法学などの応用的研究を行う。アメリカ国内の医学部にて数多くのグランド・ラウンド(症例検討会)を行い、医師のコミュニケーション教育に尽力している
川島理恵[カワシマミチエ]
関西外国語大学短期大学部講師。専門は医療社会学、会話分析
樫田美雄[カシダヨシオ]
神戸市看護大学看護学部准教授。専門は医療社会学、福祉社会学、ヴィデオ・エスノグラフィー、高等教育論
岡田光弘[オカダミツヒロ]
国際基督教大学教育研究所準研究員。専門は観察社会学、ヴィデオ・エスノグラフィー、スポーツ社会学、保健・医療社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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