解離のポップ・スキル

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  • サイズ B6判/ページ数 346p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326652884
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0036

出版社内容情報

ひきこもり、トラウマ、村上春樹、多重人格、手塚治虫、おたく、「キレる」、動機なき犯罪──同時代の貌を映す精神分析クロニクル。

 ひきこもり問題で名をはせた気鋭の精神科医による社会評論集。多重人格や記憶喪失をひきおこすような心のメカニズムを指す、「解離」という言葉をキーワードに、社会を震憾させた犯罪から文学、映画、漫画などあらゆる表現までを分析する。90年代半ばから現在までに発表された論文を集成し、時代の相貌を映し出す。

関連書:『社会的ひきこもり』(PHP新書)、『心理学化する社会』(PHP)ほか


Ⅰ 時代と社会
1 解離現象から見た「おたくとオウム」
2 思春期と攻撃性 「サブカルチャー」の視点から
3 「社会的ひきこもり」とヴァーチャル・リアリティ

Ⅱ 「事例」検討
4 精神科医は多重人格の幽霊を見るか?
5 「教養」から「神経症」へ 手塚治虫の現在形
6 メタ密室と命名の身振り ポー、ラカン、清涼院流水
7 解離の技法と歴史的外傷 『ねじまき鳥クロニクル』をめぐって

Ⅲ 対話
8 「多重人格」の射程 大澤真幸×斎藤環
9 トラウマと解離 中井久夫×浅田彰×斎藤環
10 工学化する社会/動物化する人間 東浩紀×斎藤環

Ⅳ 「精神分析」のために
11 「空虚さ」を超え「不安」のほうへ
12 「歴史の終わり」と空虚さの病理
13 解離とポストモダン、あるいは精神分析からの抵抗
14 「精神分析」を回避することの困難さについて

おわりに
初出一覧

内容説明

精神分析とシステム論の架橋。同時代の貌を映す精神分析クロニクル。

目次

1 時代と社会(解離現象から見た「おたくとオウム」;思春期と攻撃性―「サブカルチャー」の視点から ほか)
2 「事例」検討(精神科医は多重人格の幽霊を見るか?;「教養」から「神経症」へ―手塚治虫の現在形 ほか)
3 対話(「多重人格」の射程(大沢真幸×斎藤環)
トラウマと解離(中井久夫×浅田彰×斎藤環) ほか)
4 「精神分析」のために(「空虚さ」を超え「不安」のほうへ;「歴史の終わり」と空虚さの病理 ほか)

著者等紹介

斎藤環[サイトウタマキ]
1961年、岩手県生まれ。筑波大学医学専門群環境生態学卒業。医学博士。現在、爽風会佐々木病院医師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

47
【図書館】とにかくとんでもなく凄く、世界でも一番ホットな本じゃないか。その精錬された知の美をみる。分析家としての、その分析力、解釈は世界をリードするよう。オウム現象関連についても、他の書籍と一線を画して卓越しているし、それだけを読むだけでも価値があるが、深みはさらに深くなる。「トラウマと解離」の対話も優越しているが、さらには、東浩紀氏と斉藤環氏の対話「工学化する社会/動物化する人間」も、僕には巡り会ったことがない知識人としての「対話」「ディベート」の美が醸し出されている。世界のアカデミックでも稀有だ。2014/06/23

readtuktuk

2
ここ数ヶ月で読んだ斎藤環本の中でもっとも難しかった。意地で読み通したのは、彼の考え方が世界を見渡すときの大きなヒントになるのではないかという直感があったからです。それにしても難しく、後書きに〈私の著書の中ではかなんり難解な部類に属するであろう〉〈われながら再読しても疲れるような、ハードめな原稿が多い〉と書いてあったのにはホッとした。2008/08/13

ハイパー毛玉クリエイター⊿

0
本書にあるとおり〇〇年代が「解離」の時代であったとしたならば、一〇年代に突入したいまは一体なにの時代なのだろう?最新の著作が読みたくなった。2013/12/14

えこいのさん

0
環と東のガチンコバトルが超みもの。東ったらのっけからけんか腰なんだものw2009/06/20

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