ジェンダー秩序

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  • サイズ B6判/ページ数 435,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326652518
  • NDC分類 367.2
  • Cコード C3036

出版社内容情報

この30年のあいだにフェミニズムは社会に定着し、女性の意識や行動に大きな変化をもたらしてきた。それでもまだ変わらない側面もあり、相変わらずの性支配、ジェンダーの再生産も続いている。それはなぜか。どうすればこの負の循環をたちきることができるか。本書はそこから出発する。ジェンダー株序とは<男らしさ><女らしさ>という意味でのジェンダーと、男女間の権力関係である性支配を同時に産出していく社会的パターンを意味している。これがどのように作られているかを精密に探り、持続的な実践によって性支配を廃絶しうる方向を見出す試

【目次】
Ⅰ 基本的枠組みの検討

第1章 予備的考察の検討―ジェンダー/心/権力
 1 「性差」のあるか
 2 「心」について
 3 社会的行為と権力

第2章 ジェンダーの社会的構築
 1 ジェンダーの社会的構築
 2 二つの言説分析
 3 二つの言説分析におけるジェンダーの社会的構築
 4 <脱埋め込み>と二つの言説分析
 5 ジェンダーから性支配へ

第3章 構造と実践
 1 人格と社会関係
 2 構造と実践
 3 権力と支配
 4 相互行為水準の権力と支配/社会的地位水準の権力と支配

Ⅱ ジェンダー秩序とジェンダー体制

第4章 ジェンダー秩序
 1 ジェンダー秩序とジェンダー体制
 2 性別分業
 3 異性愛
 4 言語とジェンダー

第5章 ジェンダー体制
 1 ジェンダー体制とは何か
 2 ジェンダー体制として何を挙げるべきか
 3 <家族>
 4 <職場>
 5 <学校>

第6章 <諸制度><儀式><メディア><社会活動>
 1 <諸制度>
 2 <儀式>
 3 <メディア>
 4 <社会活動>
 5 ジェンダー体制の記述とは何か―社会構築主義とのかかわりで―

Ⅲ ジェンダーの再生産と変動

第7章 ジェンダー知の産出と流通
 1 日常知としての「男らしさ」「女らしさ」
 2 ジェンダー・ハビトゥス
 3 ジェンダー知の流通―性差の科学を中心に
 4 科学的言説が社会成員に与える影響

第8章 ジェンダーと性支配
 1 フラクタル図形としてのジェンダー
 2 性支配

第9章 再生産・変動・フェミニズム
 1 再生産と変動
 2 フェミニズム言説成立後におけるジェンダーの再生産


あとがき
参考文献
索引     

内容説明

「ジェンダー秩序」とは、本書においては、「男らしさ」「女らしさ」という意味でのジェンダーと、男女間の権力関係である「性支配」を、同時に産出していく社会的実践のパターンを意味する。本書において呈示したいことは、まさにこの、ジェンダーと「性支配」が、ジェンダー秩序に沿った社会的実践の持続によって、同時的に、社会的に構築されるということにある。

目次

1 基本枠組みの検討(予備的考察の検討―ジェンダー/心/権力;ジェンダーの社会的構築;構造と実践)
2 ジェンダー秩序とジェンダー体制(ジェンダー秩序;ジェンダー体制;“諸制度”“儀式”)
3 ジェンダーの再生産と変動(ジェンダー知の産出と流通;ジェンダーと性支配;再生産・変動・フェミニズム)

著者等紹介

江原由美子[エハラユミコ]
1952年神奈川県に生まれる。1975年東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。現在、東京都立大学人文学部教授、社会学・女性学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まあい

4
ジェンダーに関する理論的研究として非常に重要な一冊(文章は読みづらいけど)。ジェンダーと「性支配」とを同時に産出する社会実践のパターンとして「ジェンダー秩序」を定義し、人々の実践を通じてジェンダー秩序が再生産されるプロセスを精緻に理論化している。ただしケアの観点がうまく組み込まれておらず、山根純佳の指摘するように、「性別分業」の再生産と「異性愛」の再生産は同じ構造によって説明できるのか? など疑問もある。あらためて批判的に再読したい。2018/08/04

awe

2
日本のフェミニズム理論の大家江原由美子の代表作。圧巻。と言っても非常に難解で十分に理解できたかは分からないが。徹底的に、社会学においてフェミニズムをするということに拘って緻密な理論を構築しようという当時の意気込みが伝わってきた。社会にある構造としての「ジェンダー秩序と、それが各社会制度の文脈の中で形を変えた「ジェンダー体制」は、人々の行為を水路づけると共に、そうした人々の社会的実践によって維持・再生産されていく。これはギデンズの構造化理論から着想を得たということで納得。さらに江原はこうした「構造の二重性」2020/08/17

村上直樹

1
読むのにちょうど一ヶ月かかった。2013/01/12

大久保遥

0
ジェンダー研究の基礎文献。ブルデューのハビトゥス論、ギデンズの構造化論に依拠。この特徴は、ある構造が直接的に行為者の行動を規定・強制するだけではなく、行為者もまた、その行動規範に準じて自ら行動することで、構造を維持・強化する。こうした”動的”な”循環”によってジェンダー体制が再生産される。この体制で女性は、社会的行為者として認められておらず、ジェンダー秩序(予め表象された性別的特徴)に即した言動からでしか自分を語ることができない、男女間の権力差異を暴いた点が画期的。同時に筆者は、変動可能性をも主張する。2023/01/10

H.A

0
かなり難解。論旨展開のために必要な言葉の定義や社会学的見地からの説明が難しい。もっと多くの人にジェンダー問題を知ってもらうためには、易しい記述も必要だと思う。2021/08/22

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