出版社内容情報
この30年のあいだにフェミニズムは社会に定着し、女性の意識や行動に大きな変化をもたらしてきた。それでもまだ変わらない側面もあり、相変わらずの性支配、ジェンダーの再生産も続いている。それはなぜか。どうすればこの負の循環をたちきることができるか。本書はそこから出発する。ジェンダー株序とは<男らしさ><女らしさ>という意味でのジェンダーと、男女間の権力関係である性支配を同時に産出していく社会的パターンを意味している。これがどのように作られているかを精密に探り、持続的な実践によって性支配を廃絶しうる方向を見出す試
【目次】
Ⅰ 基本的枠組みの検討
第1章 予備的考察の検討―ジェンダー/心/権力
1 「性差」のあるか
2 「心」について
3 社会的行為と権力
第2章 ジェンダーの社会的構築
1 ジェンダーの社会的構築
2 二つの言説分析
3 二つの言説分析におけるジェンダーの社会的構築
4 <脱埋め込み>と二つの言説分析
5 ジェンダーから性支配へ
第3章 構造と実践
1 人格と社会関係
2 構造と実践
3 権力と支配
4 相互行為水準の権力と支配/社会的地位水準の権力と支配
Ⅱ ジェンダー秩序とジェンダー体制
第4章 ジェンダー秩序
1 ジェンダー秩序とジェンダー体制
2 性別分業
3 異性愛
4 言語とジェンダー
第5章 ジェンダー体制
1 ジェンダー体制とは何か
2 ジェンダー体制として何を挙げるべきか
3 <家族>
4 <職場>
5 <学校>
第6章 <諸制度><儀式><メディア><社会活動>
1 <諸制度>
2 <儀式>
3 <メディア>
4 <社会活動>
5 ジェンダー体制の記述とは何か―社会構築主義とのかかわりで―
Ⅲ ジェンダーの再生産と変動
第7章 ジェンダー知の産出と流通
1 日常知としての「男らしさ」「女らしさ」
2 ジェンダー・ハビトゥス
3 ジェンダー知の流通―性差の科学を中心に
4 科学的言説が社会成員に与える影響
第8章 ジェンダーと性支配
1 フラクタル図形としてのジェンダー
2 性支配
第9章 再生産・変動・フェミニズム
1 再生産と変動
2 フェミニズム言説成立後におけるジェンダーの再生産
注
あとがき
参考文献
索引
内容説明
「ジェンダー秩序」とは、本書においては、「男らしさ」「女らしさ」という意味でのジェンダーと、男女間の権力関係である「性支配」を、同時に産出していく社会的実践のパターンを意味する。本書において呈示したいことは、まさにこの、ジェンダーと「性支配」が、ジェンダー秩序に沿った社会的実践の持続によって、同時的に、社会的に構築されるということにある。
目次
1 基本枠組みの検討(予備的考察の検討―ジェンダー/心/権力;ジェンダーの社会的構築;構造と実践)
2 ジェンダー秩序とジェンダー体制(ジェンダー秩序;ジェンダー体制;“諸制度”“儀式”)
3 ジェンダーの再生産と変動(ジェンダー知の産出と流通;ジェンダーと性支配;再生産・変動・フェミニズム)
著者等紹介
江原由美子[エハラユミコ]
1952年神奈川県に生まれる。1975年東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。現在、東京都立大学人文学部教授、社会学・女性学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まあい
awe
村上直樹
大久保遥
H.A