出版社内容情報
〈ことばを使う行為)を通して私たちはどのような女/男であろうとしているのか。その際、社会におけるジェンダー・イデオロギーをどのように資源として使うのか/制約をうけるのか。私たちが〈ことばを使う行為)はジェンダーの権力関係によってどのように左右されるのか/権力関係を変革しているのか。ジェンダーに関するイメージ・規範・カテゴリーは(ことばを使う行為)によってどのように作られ、正当化され、普及しているのか。そのプロセスと社会構造の関係は?などを問う。
レイコフ以後四半世紀の研究を総括し、構築主義の枠組に
【目次】
序章 フェミニズムから見た「言語とジェンダー研究」
1 フェミニズムから誕生した「言語とジェンダー研究」
2 言語学的研究からフェミニズム運動と関わる言語研究へ
3 日本における言語とジェンダー研究
第1章 レイコフとスペンダーの残したもの
1 レイコフの「女の言語」という概念
2 レイコフが指摘した女の言語行動を取り巻く問題
3 レイコフへの批判とその後の発展
4 スペンダー―女の「沈黙」と「疎外」
第2章 社会言語学における「性差研究」とは?
1 社会言語学の「社会成層化」という枠組み
2 女は男より多く標準形を用いることを示した研究
3 なぜ女は男より標準形を用いるのか―性差を説明する
4 社会成層化の問題点
5 「性差研究」の根本的問題点―本質主義
第3章 ディスコース分析―異性間と同性間の会話はどうちがうのか
1 ディスコースとは
2 異性間の会話―会話における支配
3 同性間の会話―協調的会話と競争的会話
4 「協調的会話」と「競争的会話」の二分法に対する批判
第4章 「言語とジェンダー研究」の三つのモデル「支配モデル」「文化差
モデル」「劣った言語モデル」
1 「支配モデル」とは何か
2 「支配モデル」に対する批判
3 「文化差モデル」とは何か
4 「文化差モデル」に対する批判
5 「劣った言語モデル」「支配モデル」「文化差モデル」に共通した問題点
第5章 ジェンダーの構築
1 ディスコースと社会構造はどのような関係にあるのか
2 ディスコースとアイデンティティーはどのような関係にあるのか
3 「ジェンダー・アイデンティティー」と「ジェンダー・イデオロギー」
4 構築主義に対する批判
5 これからの「言語とジェンダー研究」
第6章 男性性の構築
1 多様な「男性性」と「主導的男性性」
2 主導的男性性と従属的男性性
3 ジェンダー関係の変化に対する抵抗
第7章 女性性・メディア・消費
1 消費者としての女性性
2 メディアのディスコース
3 読者を構築する―序列的相互依存
4 ジェンダー・ステレオタイプを作り続けるメディアディスコース
5 メディア・ディスコースにおける創造的なアイデンティティー構築
第8章 セクシュアリティ
1 性的志向・嗜好
2 性的欲望の構築
第9章 イデオロギーとしての日本語の「女ことば」
1 ジェンダー・イデオロギーとしての「女ことば」
2 「女ことば」の歴史的成立―「女ことば」概念の堅持
3 「女ことば」規範を正当化するディスコースの変化
4 「女ことば」の政治的機能
5 女のディスコース実践と「女ことば」
あとがき
参考文献
索引
内容説明
“ことばを使う行為”を通して、私たちはどのような女/男であろうとしているのか。“ことば…”はジェンダーの権力関係にどう左右されるのか/どう変革しているのか。ジェンダーに関するイメージ・規範・カテゴリーは“ことば…”によってどのように作り上げられ正当化され普及しているのか?研究史と最新の成果。
目次
序章 フェミニズムから見た「言語とジェンダー研究」
1章 レイコフとスペンダーの残したもの
2章 社会言語学における「性差研究」とは? 3章 ディスコース分析―異性間と同性間の会話はどうちがうのか
4章 「言語とジェンダー研究」の三つのモデル「支配モデル」「文化差モデル」「劣った言語モデル」
5章 ジェンダーの構築
6章 男性性の構築
7章 女性性・メディア・消費
8章 セクシュアリティ
9章 イデオロギーとしての日本語の「女ことば」
著者等紹介
中村桃子[ナカムラモモコ]
1955年東京生まれ。’78年青山学院大学文学部卒業。’81年上智大学大学院外国語学研究科博士課程修了。’87年関東学院大学講師。’92~94年カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州立大学客員研究員。’97年より関東学院大学教授。著書に「婚姻改姓・夫婦同姓のおとし穴」「ことばとフェミニズム」、訳書に「フェミニズムと言語」
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