ことばとジェンダー

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  • サイズ B6判/ページ数 227,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784326652471
  • NDC分類 801
  • Cコード C3036

出版社内容情報

〈ことばを使う行為)を通して私たちはどのような女/男であろうとしているのか。その際、社会におけるジェンダー・イデオロギーをどのように資源として使うのか/制約をうけるのか。私たちが〈ことばを使う行為)はジェンダーの権力関係によってどのように左右されるのか/権力関係を変革しているのか。ジェンダーに関するイメージ・規範・カテゴリーは(ことばを使う行為)によってどのように作られ、正当化され、普及しているのか。そのプロセスと社会構造の関係は?などを問う。

 レイコフ以後四半世紀の研究を総括し、構築主義の枠組に


【目次】
序章 フェミニズムから見た「言語とジェンダー研究」
 1 フェミニズムから誕生した「言語とジェンダー研究」
 2 言語学的研究からフェミニズム運動と関わる言語研究へ
 3 日本における言語とジェンダー研究

第1章 レイコフとスペンダーの残したもの
 1 レイコフの「女の言語」という概念
 2 レイコフが指摘した女の言語行動を取り巻く問題
 3 レイコフへの批判とその後の発展
 4 スペンダー―女の「沈黙」と「疎外」

第2章 社会言語学における「性差研究」とは?
 1 社会言語学の「社会成層化」という枠組み
 2 女は男より多く標準形を用いることを示した研究
 3 なぜ女は男より標準形を用いるのか―性差を説明する
 4 社会成層化の問題点
 5 「性差研究」の根本的問題点―本質主義

第3章 ディスコース分析―異性間と同性間の会話はどうちがうのか
 1 ディスコースとは
 2 異性間の会話―会話における支配
 3 同性間の会話―協調的会話と競争的会話
 4 「協調的会話」と「競争的会話」の二分法に対する批判

第4章 「言語とジェンダー研究」の三つのモデル「支配モデル」「文化差
    モデル」「劣った言語モデル」
 1 「支配モデル」とは何か
 2 「支配モデル」に対する批判
 3 「文化差モデル」とは何か
 4 「文化差モデル」に対する批判
 5 「劣った言語モデル」「支配モデル」「文化差モデル」に共通した問題点

第5章 ジェンダーの構築
 1 ディスコースと社会構造はどのような関係にあるのか
 2 ディスコースとアイデンティティーはどのような関係にあるのか
 3 「ジェンダー・アイデンティティー」と「ジェンダー・イデオロギー」
 4 構築主義に対する批判
 5 これからの「言語とジェンダー研究」

第6章 男性性の構築
 1 多様な「男性性」と「主導的男性性」
 2 主導的男性性と従属的男性性
 3 ジェンダー関係の変化に対する抵抗

第7章 女性性・メディア・消費
 1 消費者としての女性性
 2 メディアのディスコース
 3 読者を構築する―序列的相互依存
 4 ジェンダー・ステレオタイプを作り続けるメディアディスコース
 5 メディア・ディスコースにおける創造的なアイデンティティー構築

第8章 セクシュアリティ
 1 性的志向・嗜好
 2 性的欲望の構築

第9章 イデオロギーとしての日本語の「女ことば」
 1 ジェンダー・イデオロギーとしての「女ことば」
 2 「女ことば」の歴史的成立―「女ことば」概念の堅持
 3 「女ことば」規範を正当化するディスコースの変化
 4 「女ことば」の政治的機能
 5 女のディスコース実践と「女ことば」

あとがき
参考文献
索引

内容説明

“ことばを使う行為”を通して、私たちはどのような女/男であろうとしているのか。“ことば…”はジェンダーの権力関係にどう左右されるのか/どう変革しているのか。ジェンダーに関するイメージ・規範・カテゴリーは“ことば…”によってどのように作り上げられ正当化され普及しているのか?研究史と最新の成果。

目次

序章 フェミニズムから見た「言語とジェンダー研究」
1章 レイコフとスペンダーの残したもの
2章 社会言語学における「性差研究」とは? 3章 ディスコース分析―異性間と同性間の会話はどうちがうのか
4章 「言語とジェンダー研究」の三つのモデル「支配モデル」「文化差モデル」「劣った言語モデル」
5章 ジェンダーの構築
6章 男性性の構築
7章 女性性・メディア・消費
8章 セクシュアリティ
9章 イデオロギーとしての日本語の「女ことば」

著者等紹介

中村桃子[ナカムラモモコ]
1955年東京生まれ。’78年青山学院大学文学部卒業。’81年上智大学大学院外国語学研究科博士課程修了。’87年関東学院大学講師。’92~94年カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州立大学客員研究員。’97年より関東学院大学教授。著書に「婚姻改姓・夫婦同姓のおとし穴」「ことばとフェミニズム」、訳書に「フェミニズムと言語」
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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あなた

10
ジェンダー論をやりたいならここからスタートするべき。生物学的性差(セックス)である「男/女」といった二項対立も実はグラデーションのようになっていて区分ができないもの。ということは、セックスもまた文化的性差(ジェンダー)なんである。ジェンダーのみならず、セックスもまた「ことば」によって構築されるものにほかならない。ジェンダー/セックスという二項対立にはまっているひとにはとくにおすすめ。あと読書行為にジェンダー論的観点をとりこみたいひととか2009/07/21

kenitirokikuti

5
図書館にて。2011年刊行。表題は、「ランゲージ&ジェンダー スタディーズ」を指す。少なくとも執筆当時、日本の「言語とジェンダー研究」界隈ではフェミニズムとの関連が薄かったそうな。フェミニズムが心理学に近いせいかもしれない▲「女ことば」という概念は、英語圏ではロビン・レイコフ『言語と女の地位』(1975)が提起したものだそうな。特に「女のことばづかい」といったもの▲正直なところ、諸研究と「フェミニズム運動と積極的に関わろうとする」指向については好き好きだとしか感じえず。後者なら政治家をやらねば欺瞞では2020/08/01

歩く配慮事項さん

1
言語、ジェンダー論に関する本。セクシュアリティ、性別二元論に関する記述もちょろっと。特にジェンダーに関して知りたい人はこれを読むといいかもしれない。2013/04/04

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