出産と身体の近世

出産と身体の近世

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  • サイズ B6判/ページ数 282,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326652082
  • NDC分類 385.2
  • Cコード C3036

出版社内容情報

女性の性役割やライフスタイルを規定する近世に特有のあり方を探る。現代を考え近世を相対化するために。史料から女たちの声を聞きとる。

内容説明

本書は、出産を窓口に、支配層、共同体、民衆という三者の権力関係や、女と男の関係のなかで、女性たちが妊娠し出産する自らの身体をどうとらえ、またこれと関わるものとして胎児や堕胎をどうとらえていたのかという身体観の問題を解明する。

目次

序章 出産と身体の近世
第1章 農民家族の「産」の風景
第2章 農民家族の「産む」身体
第3章 農民家族の「子産み」と出産管理―仙台藩「赤子養育仕法」を手掛りに
第4章 町人家族の胎児観、「産む」身体観―津山城下町を中心に
第5章 「産む」身体をめぐる権力関係
第6章 間引き教諭書への女・夫婦の登場―「産む」身体と婚姻の管理へ
第7章 「産」をめぐる諸相―民衆・女性・医療
第8章 「産」の心性―近世岡山の場合

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もだんたいむす

4
間引きと堕胎に関するお話がほとんど。一冊の本を作る感じで書かれた訳ではなく、バラバラに書かれた話を一冊にまとめた本なのでちょっと重複する話がある感じ。江戸時代とかは間引きをしてもお咎めなしな時代かなと思っていたが、それを取り締まる法律があったのね。2022/07/01

ひろゆき

2
今なら子殺しは大変な犯罪だけど、明治以前は間引きという形でありふれたものだった。それも生まれたばかりの子ばかりではなかった事実。今とは違うそのあたりの身体観、生命観を知りたくて、手に取った。学者の論文なので異説などにも丁寧に触れているため、新書のような要点のみをズバリ語るという体裁ではないが、先祖達の価値観には触れることができる2015/06/10

ポルポ・ウィズ・バナナ

1
江戸時代はカジュアルに堕胎や間引きが行われていたのか一概にそうとはいえなさそうだ。仙台藩は「赤子養育仕法」を津山藩は「赤子間引き取締」を制度化。出産率低下に伴う労働力の減少を食い止める為の施策ではあるのだが一応システムとしてはそういう方向を取るぐらいではあったのだ。但し、それは同時に「女性を家に囲い込み管理する」ことに繋がるのだが。◎婚前交渉や婚前妊娠は恥ではなかった。後家娘が複数の村の若者と性交渉を持ち、そして妊娠出産に至った際、それを保護するような措置をとった。しかしそれも変わっていく。2020/08/09

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