出版社内容情報
国民国家や近代家族の成立と不可分な規範として,良妻賢母思想をとらえなおす。女に妻・母役割を第一義的にもとめるイデオロギー・体制思想として,良妻賢母思想を解明する。
【目次】
序―問題視角
第1章 良妻賢母思想の成立
1 江戸期女訓書にみる女性観
2 明治啓蒙期の賢母論
3 良妻賢母思想の登場
第2章 良妻賢母思想と公教育体制
1 家庭教育論の登場
2 家庭教育と公教育体制
第3章 転換をもたらすもの
1 「婦人問題」の登場
2 第一次世界大戦の衝撃
第4章 良妻賢母思想の再編
1 女子教育の改善
2 新しい良妻賢母像
3 高等女学校令改正へ
第5章 修身教科書にみる良妻賢母像の変遷
1 明治44(1911)年まで
2 明治44(1911)年から大正9(1920)年まで
3 大正9(1920)年から昭和7(1932)年まで
最後に―良妻賢母思想とは何だったのか
あとがき
文献
索引
内容説明
国民国家や近代家族の成立と不可分な規範として、良妻賢母思想を捉え直す。認識枠組を一新する女性史研究の威力。
目次
序 問題視角
第1章 良妻賢母思想の成立
第2章 良妻賢母思想と公教育体制
第3章 転換をもたらすもの
第4章 良妻賢母思想の再編
第5章 修身教科書にみる良妻賢母像の変遷
最後に 良妻賢母思想とは何だったのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
入江
11
フーコーを読んだときの印象に似ています。身近なことなのに侵食されている、価値観が足元から崩れるイメージです。国民国家や近代家族の成立から良妻賢母をとらえています。名著です。2017/08/25
ガジ
1
あとがきに女性史研究は論理構成が弱いって指摘が出てきて、それを克服するための本書とあって、堅苦しさに納得がいった。すごい資料の情報量だったり、かなり公文書によってる印象があるのはこのためなのね。個人的には江戸時代から話を起こすのが斬新に感じたのと、4章の改正教育会議の話はかなり詳細で参考になりそう。女学校教育なら2章4節の部分と連続しても読めそう。私的な部分をどう見るかだけど、家庭だと婦人雑誌がいいのかなあ。でもそれも完全に私的なものとはいえないしなぁ、というかんじ2022/10/13
ころぼっくる
0
レポート用に
松
0
良妻賢母思想は日本人に根強くある規範。大昔からあるものだと思っていたが、実際は明治に始まったもので、江戸時代女性は嫁ぎ先の夫や両親の言うことを聞くだけで何も期待されていなかったことに衝撃。欧米の価値観が導入され国家を背負う人材を育てる為母の役割が重要になった。女性は生み育てる役割をより期待され本人が期待されないことに失望を感じるが、この思想がきっかけで女性の公教育が始まったことを知ると皮肉に思う。2022/10/09
396ay
0
卒論用。大学図書館にて。2020/12/09