日本が優生社会になるまで―科学啓蒙、メディア、生殖の政治

電子版価格
¥6,050
  • 電書あり

日本が優生社会になるまで―科学啓蒙、メディア、生殖の政治

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 389,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326602841
  • NDC分類 498.2
  • Cコード C3036

出版社内容情報

近現代日本における優生学運動や優生政策を、ファシズム論や優生法の系譜論に基づくのでなく、雑誌メディアを中心とした科学啓蒙、アカデミズム、科学運動、政策化の構造と時代ごとのあり方から検討する。生殖をめぐる政治がアカデミズムとメディアを中心とした科学啓蒙、科学運動のなかでどのように形成されていくのかを描く一書。

内容説明

明治の人種改造論から平成の新型出生前診断へ。出生前診断が常態化し、遺伝子改良も夢ではない優生社会は明治期から優生学論者たちが望んだものだ。メディアを駆使した彼らの科学啓蒙での主張は、生殖の政治の変転を経ていかに今に至るのか?

目次

課題と方法の提示
第1部 優生学の構想と科学ジャーナリズム(二〇世紀初頭の進化論啓蒙と優生学受容の思想的地盤―自然科学主義と科学ジャーナリズム;優生学と社会事業―第一次大戦後の海野幸徳の転身を中心に)
第2部 雑誌メディアにおける優生学運動の展開(『文化生活』の優生学―大正期の科学啓蒙と雑誌メディア;昭和戦前期における優生学メディアの性格―雑誌『優生学』を対象に;一九三〇‐四〇年代における『民族衛生』誌の成立と変容―科学啓蒙と学術特化のあいだ)
第3部 優生学の政策化と科学啓蒙―戦中から戦後へ(戦間期日本の優生学論者と産児調節―論争の発生から国民優生法まで;国民優生法成立の再検討―法案論議と科学啓蒙のあいだ;人的資源調査から優生保護法へ―谷口弥三郎の戦中と戦後)
第4部 新優生学の展開とマスコミ―日本母性保護医協会を中心に(新優生学のメディアキャンペーン―おぎゃー献金の登場と展開;一九七〇‐八〇年代における優生保護法改正論議の再検討―日本母性保護医協会の動向から)
結論

著者等紹介

横山尊[ヨコヤマタカシ]
1978年鹿児島県生。九州大学大学院比較社会文化学府単位取得満期退学。博士(比較社会文化)。現在、九州大学大学院比較社会文化研究院特別研究者、福岡大学、筑紫女学園大学、九州国際大学、純真学園大学非常勤講師。専攻は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。