出版社内容情報
専門職としての認知とそれを保障する学問としての「科学」性を求め、社会福祉学はどのように発展してきたのか、そして今後どうあるべきか。歴史を辿り今後を展望する。
ソーシャルワーカーの専門職化は知識の体系化や援助技術の「科学」化によってもたらされるとされてきた。一途な「科学」化から反専門職主義や「ポストモダニズム」の台頭を経て、社会福祉学はいま「エビデンス」をキーワードに、再び「科学」化を推し進めようとしつつある。迷走する社会福祉学の歴史を辿り、今後を展望する意欲的一書。
[関連書] 同著者 『児童虐待と動物虐待』 (青弓社)
はじめに
第一章 専門職化への起動
第一節 全国慈善矯正事業会議におけるフレックスナー講演
第ニ節 フレックスナー講演に先行するフレックスナー報告
第三節 「進化」する専門職
第ニ章 社会福祉の「科学」を求めて
第一節 援用される諸学問の理論
第ニ節 最初の「科学」化――精神力動パースペクティブ
第三節 ラディカルなソーシャルワーク
第四節 社会福祉統合化へむけて――システム-エコロジカル・ソーシャルワーク理論
第三章 弱者の囲い込み
第一節 障害者というまとまりの具体化
第ニ節 福祉の対象となる子ども
第三節 子どもの権利と専門家の権限
第四章 幸福な「科学」化の終焉
第一節 反専門職主義の嵐
第ニ節 脱施設化運動
第三節 新たな社会福祉専門職への再調整
第五章 専門家による介入――暴力をめぐる配慮
第一節 ソーシャルワーク理論と政治
第ニ節 理論と政治の連動――イギリスにおける児童福祉の展開・1
第三節 「自由の巻き返し」――イギリスにおける児童福祉の展開・2
第四節 自由か安全か
終 章 専門家の所在
第一節 一九九〇年代以降
第ニ節 エビデンス・ベイスト・X
第三節 反省的学問理論と閾値
参考文献
索 引
内容説明
知識の体系化と技術の「科学」化によって、理想は実現するはずだった。フロイト理論からEBMまで―専門職としての認知とそれを保証する学問としての「科学」性を求め、社会福祉はどのような歴史を辿り、そして今どこへ向かおうとしているのか。社会福祉学をめぐる科学・物語・政治。
目次
第1章 専門職化への起動
第2章 社会福祉の「科学」を求めて
第3章 弱者の囲い込み
第4章 幸福な「科学」化の終焉
第5章 専門家による介入―暴力をめぐる配慮
終章 専門家の所在
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