中国は先進国か

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  • サイズ B6判/ページ数 301,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326550609
  • NDC分類 332.22
  • Cコード C3033

出版社内容情報

高度経済成長を続ける中国の原動力は外資導入による輸出主義の開放経済と、高水準の貯蓄を背景にした活発な投資である。しかし高成長の陰で都市と農村、富裕層と低所得層の格差が拡大し、エネルギー・資源の浪費や環境破壊が成長持続の制約要因になりつつある。こうした課題を克服し先進国入りできるか、各分野の専門家が検証する。

[関連書] 同編 『中国の経済大論争』 (勁草書房刊)

まえがき

第1章 二〇一五年まで続く高成長     胡 鞍鋼
  一 改革開放三十年の成果を示す北京オリンピック
  二 世界の中で中所得水準に入りつつある中国
  三 高成長を続ける中国経済
  四 変動する経済構造
  五 二〇二五年以降に減少に向かう総人口
  六 競争が激化する労働力市場
  七 広がる所得格差
  八 高成長続ける対外貿易
  九 急速に増えるエネルギー需要
  十 持続可能で均衡のとれた発展への転換が必要

第2章 調和を図る「新四つの近代化」      胡 鞍鋼
  一 課題や矛盾も大きい「新たな四つの近代化」
  二 従来の「四つの近代化」から「新たな四つの近代化」へ
  三 加速する「新たな四つの近代化」
  四 「新たな四つの近代化」の四大効果
  五 「新たな四つの近代化」がもたらした課題
  六 中国の国情を踏まえた「新たな四つの近代化」のあり方

第3章 成長パターン転換、どう実現     関 志雄
  一 顕在化する成長への制約
  二 成長パターンを転換させるための方策
  三 成長パターンの転換は成功するか

第4章 資産バブル崩壊のインパクト     曽根 康雄
  一 バブル期の特徴
  二 中国の資産バブル形成の原因
  三 日本のバブル期(一九八〇年代)との類似点と相違点
  四 株価調整とその原因
  五 資産価格調整への対応
  六 資産バブル崩壊のインパクト
  七 結び――持続可能な発展に向けた調整の必要

第5章 高まるか産業・企業の競争力     尾崎 春生
  一 北京オリンピックを起爆剤としたい中国の産業・企業
  二 中国製造業の国際競争力の現状
  三 中国製造業の強みと弱み
  四 中国製造業の要因別評価
  五 製造業強化の国家戦略
  六 中国製造業の可能性(二〇一五年までのシナリオ)

第6章 構造化する経常黒字・収支不均衡問題     大橋 英夫
  一 中国の経常黒字はグローバル・インバランス問題
  二 グローバル・インバランスの拡大
  三 グローバル・インバランスに対する米国の反応
  四 中国の経常黒字の拡大と米中貿易不均衡
  五 中国の政策対応
  六 貯蓄投資バランス
  七 将来シナリオ

第7章 オリンピック開催時の日韓と似る中国     室井 秀太郎
  一 高度成長たけなわの東京オリンピック
  二 高度成長を支えた重化学工業化と貿易自由化
  三 インフラ、社会安定の基盤を整備
  四 開発独裁から民主化を経験した韓国
  五 日本に追いついた韓国の電子産業
  六 賃金の急上昇で国際競争力が低下
  七 重化学工業化や所得向上は中国も共通
  八 中国は格差の拡大や社会保障の遅れに問題
  九 持続的な安定成長に欠かせない日本の協力

第8章 民主化の基盤となる調和社会     唐  亮
  一 中国近代化第二段階の政治問題
  二 近代化戦略の新たな柱としての調和社会の構築
  三 分配制度の見直しと弱者への支援強化
  四 利害調整メカニズムの模索
  五 調和社会構築の成否は中国政治の将来を大きく左右

第9章 中国外交、漸進的な大国化へ     朱 建栄
  一 変化の速さなどから客観的評価が乏しい中国外交
  二 建国以後の中国外交の基本的特徴
  三 冷戦終結後の中国外交の変化と特徴
  四 中国外交の行方を占う三つのバロメーター
  五 展望──二十年の中国外交

第10章 ソフトパワー、どこまで拡大     山崎 正樹
  一 ソフトパワーの定義
  二 ソフトパワーに関する中国の基本スタンス
  三 ソフトパワー拡大の発端
  四 ソフトパワー拡大への新たな取り組み
  五 ソフトパワー拡大の阻害要因
  六 今後のシナリオ

第11章 日中、成熟した大人の関係へ     藤村 幸義
  一 壊れやすい枠組みから成熟した大人の関係へ
  二 政治外交分野
  三 経済交流分野
  四 文化交流分野
  五 成熟した大人の関係へ

索  引

内容説明

北京オリンピックを成功させた中国は先進国の仲間入りができたのか。持続的・安定的な経済成長をさらに確実なものにしていきたい中国の課題に迫る。

目次

第1章 二〇一五年まで続く高成長
第2章 調和を図る「新四つの近代化」
第3章 成長パターン転換、どう実現
第4章 資産バブル崩壊のインパクト
第5章 高まるか産業・企業の競争力
第6章 構造化する経常黒字・収支不均衡問題
第7章 オリンピック開催時の日韓と似る中国
第8章 民主化の基盤となる調和社会
第9章 中国外交、漸進的な大国化へ
第10章 ソフトパワー、どこまで拡大
第11章 日中、成熟した大人の関係へ

著者等紹介

関志雄[カンシユウ]
野村資本市場研究所シニアフェロー

朱建栄[シュケンエイ]
東洋学園大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。