内容説明
北東アジアでは、なぜ50年以上も「永い平和」が続いているのか。危機の事例を検証することによって、朝鮮戦争の休戦以来、大規模な軍事紛争がないこの地域の秘密に迫る。
目次
「永い平和」の謎―何が平和をもたらしたのか?
第1部 「永い平和」の解明:理論(北東アジアの「相対的安定」と極構造;費用便益による戦争抑制効果―「割に合わない」戦争;流動化する安全保障上の脅威と危機管理―重層的なしくみへ:フォーマルからインフォーマルまで;「共同体」なき北東アジアにおける永い平和―リアリズムとリベラリズムの混合アプローチ)
第2部 「平和」が試された事例:危機激化が回避され、平和が保たれたのはなぜか?(朝鮮半島における「永い平和」の背景―危機回避の要因分析を手がかりに;台湾海峡における「永い平和」に関する史的考察;尖閣諸島をめぐる国家・利益の相克―安定から不安定化への転換の論理;中国のエネルギー安全保障と日中関係―東シベリア石油パイプラインに関する日中競合を中心に;「永い平和」の謎の解明)
著者等紹介
植木千可子[ウエキチカコ]
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。マサチューセッツ工科大学安全保障プログラム客員研究員(2012‐13年)。上智大学外国語学部フランス語学科卒、上智大学外国語学研究科国際関係論専攻修士、マサチューセッツ工科大学Ph.D.(政治学・博士)。朝日新聞記者、北京大学国際関係研究所客員研究員、防衛省防衛研究所主任研究官などを経て、2008年より現職。専門は国際関係論、国際安全保障
本多美樹[ホンダミキ]
早稲田大学アジア太平洋研究センター客員次席研究員およびアジア研究機構研究員。早稲田大学社会科学総合学術院、東海大学、川村学園女子大学非常勤講師。成蹊大学卒業後、英字紙「ジャパンタイムズ」記者を経て、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科にて修士号(国際関係学)、博士号(学術)を取得。専門は、国際関係学、国際機構論、安全保障、国連研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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