内容説明
本書は過去20年間、きわめてダイナミックな展開を見せた共同研究開発をとりまく諸問題に関する実証分析の試みである。共同研究開発とは複数企業が協力して新しい科学技術情報を得ようとするもので、2企業間での研究開発テーマの重複回避のための取り決めという簡単な形から、ある産業に属するほとんどの企業が出資して共同研究所を設立するコンソーシャと呼ばれるものまで、さまざまな形態がある。本書では1980年代以降の日本、アメリカ、ヨーロッパにおける共同研究開発の現状と産業政策との関係を詳細に分析する。ここで、産業政策とは、産業構造を人為的に変更する政策を意味し、競争政策(独占禁止政策、反トラスト政策)と産業育成政策の両者を含んでいる。
目次
第1章 共同研究開発の意図と形態
第2章 共同研究開発に対するアメリカ反トラスト法規制緩和
第3章 共同生産への反トラスト法規制緩和の拡大
第4章 日本における共同研究開発
第5章 日本とアメリカにおける共同研究開発に関する実証研究
第6章 共同研究開発のケーススタディ
第7章 ヨーロッパにおける共同研究開発
第8章 結論:共同開発研究の意義