内容説明
なぜ中央政府が公布した政策は効果を発揮できないのか、政策実施過程で何が起こっているのか、政策実行を阻害する要素はあるのか。中国の中央・地方関係を、財政収入の重要性・利益の多様性・話題性の3つを基準に、不動産と土地を事例分析の対象として分析を進める。
目次
序章 中央・地方関係の新しい視点
第1章 1994年以後の中央・地方関係と土地
第2章 中央・地方の財政関係における土地と不動産
第3章 土地市場化過程における基層政府の役割分析
第4章 経済発展手段としての国有不動産企業
第5章 土地の政治経済学と中国政治
終章 土地と不動産からみる中央・地方関係
著者等紹介
任哲[ニンテツ]
ジェトロ・アジア経済研究所研究員、博士(国際関係)。1978年中国吉林省生まれ。2001年、北京大学政治学部卒業後来日。2008年、早稲田大学アジア太平洋研究科博士課程修了。北海道大学スラブ研究センター研究員を経て2011年より現職。専攻、比較政治、現代中国政治(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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葉
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中国について研究している人が周りに何人かいたので読んでみた。中国における中央政府と地方との関係について初めに書かれている。中国は、中央政府から省(32)、地(333)、県(2859)、郷鎮街道(40828)へと繋がっている。政府間請負関係とGDP主義などについてはPA問題と同様に扱っている。中国の土地や不動産については、先輩の論文からわかったことだが、バーゲニングパワーが存在するらしい。国有不動産企業についてのトピックがあり、課題が多いことが現状であるとしている。また、軍隊と農民についても取り上げている。2014/11/13