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出版社内容情報
「在日コリアンは日本人より劣っている」という古くからあるレイシズムと、「不当な特権を得ている」とする新しいレイシズムはどのような関係にあるのか。偏見を持つ人はもともと右翼的傾向にあるのか、それとも別の要因によるのか。インターネット利用との関係は? 偏見を理解するための社会心理学。
目次
第1章 問題と目的
第2章 Twitterにおける言説の分析
第3章 質問紙調査によるレイシズムの解明
第4章 インターネットの使用とレイシズムの強化
第5章 集団間接触によるレイシズムの低減
第6章 全体考察
著者等紹介
高史明[タカフミアキ]
1980年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(心理学)。神奈川大学非常勤講師。研究テーマは偏見・ステレオタイプ(特に在日コリアンに対するもの。また、インターネットの使用やイデオロギーとの関連から)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shintaro
49
在日コリアンへの偏見というレイシズムの実態を社会学的手法で明らかにしようとする研究の書。研究の白眉は、Twitter上の差別的言説を計量テキスト分析によって明らかにした第2章であろう。上位25位までのアカウントのオピニオンリーダー(bot含む)が毎日シャワーのように「差別の言語」をフォロワーに浴びせかけ、拡散される。僕らの心に住む「偏見」という猛獣を覚醒させぬよう、こうしたツィートは自らの意志で遮断しよう。在日コリアンにとって住みにくい世の中は、日本人にとっても住みにくい世の中なのではないか。2016/01/16
ntahima
22
【県図書9】気に入った本を数年後に読み直すことはたまにある。しかし一読即読み返した本は、仕事関係を除けば初めてかも知れない。再読の理由はふたつ。初読では完全に理解できなかったことと、それでも理解したかった為。初めて目にする用語や分析手順を十分に理解しないまま読み進めると頁を目で追うだけになる。精読の苦手な方には重ね読みをお勧めする。内容を一言では要約できないので先ずは読んでほしい。三読すればさらに得られることも多いと思うが返却日がきたので、ひとまず図書館の棚に戻すことにする。続編が出ればやはり読むだろう。2015/12/21
mittsko
6
明解明晰!問題関心はするどく、方法論は手堅い。すでにこの分野の基礎図書になっているのも頷ける。読んで大変よかった ⇒ 著者は社会心理学の研究者。在日コリアンに対する偏見について、2008~13年の調査にもとづく成果。著者曰く、その後「事態は私の予測さえ遙かに超えて急速に進行した」。私の問いは「今世紀になり、在日コリアンへの侮辱がこうも公然と、躊躇なく行われるようになったのは何故か」だったが、著者は真っ当にも本研究では経時的変化はあつかえない、とする。客観的根拠により数々の驚くべき事実確定がされる。読むべし2017/12/07
sasha
5
博士論文に加筆した作品なので一般書ではなく、ガチガチの学術書だった。分析に使われた数式なんてチンプンカンプン。ただ、薄々は感じていたのだけれど、Twitter上で差別的発言を繰り返している人数はそれほど多い訳じゃないってのは著者の分析でも解明されてたわ。憎悪のシャワーを浴びていれば、影響はやっぱり大きいのかもしれない。実際、在特会のデマを信じて在日特権がどうたらという書き込みを某所でされたこともあるしね。たしなめたら在日認定やら、非国民認定されたけどさ。2016/09/14
よしー
4
どうにか年内に読了できたぞー! これ読む前には、安田浩一『ネットと愛国』や中村一成『ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件』を読んでいたほうが良いかも。(特に安田『ネットと~』は本書の中で、「質的な分析」例(ex:P192)として、よく挙げられていたので。)2015/12/28