出版社内容情報
人間の行動は「行為」と見なされ、「理由」によって説明される。自然主義の立場から「理由」概念の役割を解明する、行為論の新しい古典。
行動は、脳や筋肉、神経系の働きなどによって因果的に説明することもできる。しかし、日常的には理由による説明のほうが自然である。生物学・情報理論・神経科学などの知見を取り入れつつ、この二つの説明の仕方を調停する。現代英米哲学の新しい古典を紹介する翻訳シリーズの第一弾、遂に刊行!
第一章 行動の構造
1 内的・外的原因
2 行為と行動
3 植物と機械の行動
4 動きと動かし
5 変化の第一原因
6 行動の諸相
第二章 過程としての行動
1 過程
2 行動の原因と結果
3 植物と機械の行動の原因
第三章 表象システム
1 表象の慣習的システム──タイプⅠ
2 自然的サインと情報
3 表象の慣習的システム──タイプⅡ
4 表象の自然的システム
5 志向性──誤表象
6 志向性──指示と意義
7 要約
第四章 信念の説明上の役割
1 意味の因果的役割
2 なぜ機械はあのように行動するのか
3 本能的行動の説明
4 情報に仕事をさせる──学習
第五章 動機と欲求
1 目標に導かれた行動
2 目標を意図した行動
3 動因と欲求
4 欲求の志向性
5 目的的行動の柔軟性
第六章 理由の相互作用的本性
1 選択、好み、決定
2 古い目的のための新しい手段
3 新しい目的
4 認知的全体論
原注
訳注
訳者解説
参考文献
事項索引
人名索引
内容説明
人間の行動は、信念などの「理由」と生物学的な「原因」との二つの形で説明される。「表象」を自然主義的に説明することを通して、対立する両者の調停を試みる。
目次
第1章 行動の構造
第2章 過程としての行動
第3章 表象システム
第4章 信念の説明上の役割
第5章 動機と欲求
第6章 理由の相互作用的本性
著者等紹介
ドレツキ,フレッド[ドレツキ,フレッド][Dretske,Fred]
1932年、アメリカのイリノイ州生まれ。1960年、ミネソタ大学にて博士号を取得。現在はスタンフォード大学およびウィスコンシン大学名誉教授、デューク大学リサーチ・スカラー
水本正晴[ミズモトマサハル]
1968年、福岡県生まれ。2002年、一橋大学社会学研究科博士課程満期退学。社会学博士(一橋大学、2004年)。日本学術振興会特別研究員を経て、明治大学ほか非常勤講師。第1回科学基礎論学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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