出版社内容情報
私たちを混乱に陥れているコロナパンデミックを生み出したのは私たち自身の活動だ。このあまりに人間的なウイルスについて問う。
グローバル化の産物であるコロナウイルスは、過剰なまでに相互接続された現在の技術・経済構造の脆さを明らかにし、私たちの生を土台のない状態へとひとしく直面させている。私たちは生の土台のなさをもとに、不確実性を分かち合う民主主義を思考し、私たちの人間性、権利、自由の意味を新たに発明していかなければならない。
内容説明
もはや神罰とはいえず私たち自身の活動から生み出されたことが明らかなコロナパンデミック。このあまりに人間的なウイルスは、過剰なまでに相互接続された現在の技術・経済構造の脆さを明らかにし、私たちの生を土台のない状態へとひとしく直面させている。この状況に哲学者はどう反応したのか。ナンシーによるコロナ時代の証言。
目次
1 あまりに人間的なウイルス
2 「コミュノウイルス」
3 子どもでいよう
4 悪と力
5 自由
6 新ウイルス主義
7 自由を解放するために
8 有用性と非有用性
9 あいかわらずあまりに人間的な
付録1 ニコラ・デュタンとの対話
付録2 未来から来るべきものへ―ウイルスの革命(ジャン=リュック・ナンシー/ジャン=フランソワ・ブトール)
著者等紹介
ナンシー,ジャン=リュック[ナンシー,ジャンリュック] [Nancy,Jean‐Luc]
1940年、フランス・ボルドー生まれ。哲学者。ストラスブール・マルク・ブロック大学名誉教授
伊藤潤一郎[イトウジュンイチロウ]
1989年、千葉県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD。専攻は、フランス哲学、キリスト教思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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