ジャック・デリダ―動物性の政治と倫理

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ジャック・デリダ―動物性の政治と倫理

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  • サイズ B6判/ページ数 160p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326154449
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C3010

出版社内容情報

いかにしてデリダは動物たちを来たるべき民主主義へ参入させるのか。「動物?政治」概念から「民主主義的な主権」の問いが開かれる。近代政治の主権概念は人間と動物の区分と不可分であり、政治は常に人間に固有なものとされてきた。つまり西欧思想においては、人間と人間ではない生きものたちの政治関係の発明が回避され、獣と主権者のアナロジーによって動物たちに日々ふるまわれる根底的な暴力が否認されてきたのだ。デリダが人生の最後に発明した「動物?政治」概念から、「動物の民主主義」を考える。

序論 ゆえにデリダは政治的動物であった

 動物の苦難

 反ユダヤ主義とユダヤ的アイデンティティ(一九三〇─一九六二年)

 デリダの独立(一九六二─一九六七年)

 内部からの追放者、あるいは動物の形象としてのマラーノ(一九六七─二〇〇四年)



第一章 肉食─ファロス─ロゴス中心主義

 肉食的供犠の意味と機能、あるいは肉食─ファロス─ロゴス中心主義の脱構築

 動物の供犠と人間的主体性の創造



第二章 パルマコン

 パルマコンと肉食的供犠

 動物の供犠の「パルマコン的」解釈



第三章 動物─政治

 動物─政治と生─政治

 動物─政治の帝国としての獣と主権者のパルマコン的アナロジー

 主権の病に侵される動物たち



第四章 自由

 自由から応答へ

 飼い慣らしの自己─免疫的暴力

 飼い慣らしの「奇妙なエコノミー」

 動物の自由と応答可能性=責任



第五章 触覚中心主義

 動物の触覚

 触覚=触れることの法

 触覚中心主義の脱構築

 触れることの動物倫理、贈与なき捧げ物



結論 デリダの動物倫理の未来

 「アニマル・スタディーズ」の根底的な反─人間主義

 フェミニズムと人間に固有なものの脱構築

 脱構築と法─政治の問い



後書き 動物─政治的民主主義のために─いかにしてデリダは動物たちを来たるべき民主主義へと参入させるのか

 動物─政治というデリダの新概念

 動物─政治とは、暴力と死をもたらすものである

 動物─政治的主権はアナロジーである



解説

パトリック・ロレッド[パトリック ロレッド]
パトリック・ロレッド(Patrick Llored)
リヨン第三大学講師。ティエリ・ゴンティエの指導の下で、博士論文「動物性のポリティックス――ジャック・デリダの哲学における主権、動物性、脱構築」で博士号取得。著書に、Jacques Derrida: Politique et ?thique de l'animalit? (Sils Maria, 2013)。La d?mocratie animale. Libert?, ?galit? et animalit? がVrin出版から近刊予定。

西山 雄二[ニシヤマ ユウジ]
西山 雄二(にしやま ゆうじ)
首都大学東京准教授。著書に、『哲学への権利』(勁草書房、2011)など。編著に『カタストロフィと人文学』(勁草書房、2014)など。 翻訳に、デリダ 『哲学への権利』(全2巻、みすず書房、2014-2015)、『ジャック・デリダ講義録 獣と主権者』(全2巻、白水社、2014・2016)など。

桐谷 慧[キリタニ ケイ]
桐谷 慧(きりたに けい)
東京大学大学院総合文化研究科/ストラスブール大学博士課程。論文に「ジャック・デリダにおける『今』の脱構築」(『年報 地域文化研究』第15号)、? La question de l'eschatologie chez Jacques Derrida ?(UTCP Booklet 26)など。

内容説明

近代の主権概念は人間と動物の区別と不可分であり、政治は常に人間に固有なものとされてきた。西欧思想においては、人間と人間ではない生きものたちの政治関係の発明が避さられ、獣と主権者のアナロジーによって動物たちに日々ふるまわれる根底的な暴力が見えなくされてきたのだ。デリダが人生の最後に発明した「動物‐政治」概念から、「民主主義的な主権」の問いが開かれる。

目次

序論 ゆえにデリダは政治的動物であった
第1章 肉食‐ファロス‐ロゴス中心主義
第2章 パルマコン
第3章 動物‐政治
第4章 自由
第5章 触覚中心主義
結論 デリダの動物倫理の未来
後書き 動物‐政治的民主主義のために―いかにしてデリダは動物たちを来たるべき民主主義へと参入させるのか

著者等紹介

ロレッド,パトリック[ロレッド,パトリック] [Llored,Patrick]
リヨン第三大学講師。ティエリ・ゴンティエの指導の下で、博士論文「動物性のポリティックス―ジャック・デリダの哲学における主権、動物性、脱構築」で博士号取得

西山雄二[ニシヤマユウジ]
首都大学東京准教授

桐谷慧[キリタニケイ]
東京大学大学院総合文化研究科/ストラスブール大学博士課程(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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アルゴス

4
デリダが晩年に取り組んだ重要な課題「動物政治」の概念をめぐる研究書。フーコーは人間の「生政治」の概念を提起したが、デリダはこれに対抗するかのように、「動物政治」の概念を提起した。この書物ではデリダの生まれたアルジェリアでのユダヤ人差別の経験が、動物の「差別」にたいするデリダの考察の背景にあり、それが終生の問題意識を貫いていることを指摘する。要約的な考察だが、類書があまりないので、貴重だ。★★★☆2017/12/10

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