内容説明
子どもの最初の驚きと問い。最初の問いから生きることの希望へとつながる道。哲学と教育の可能性について考える。
目次
第1部 子どもたちの問い―哲学への欲求(幼年期の問い―世界が「アル」ことの不思議;実存的問い―「自分」という不思議;「世の中」と自分―人間であることへの問い;自分と他者)
第2部 問いから探求へ(哲学の効用;哲学を学ぶ/教える;哲学の場所)
著者等紹介
森田伸子[モリタノブコ]
1945年中国に生まれる。1966年お茶の水女子大学教育学部卒業。1971年東京大学大学院教育学研究科博士後期課程満期退学。現在、日本女子大学人間社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
23
著者の優しさに触れた気がした。子どもたちの無垢な、だが恐ろしいほど切実で率直な問いに対して著者は誠実に答えようとしている。デリダやハイデガーを引用するその手付きはしかし、決してアカデミズムにむやみに淫しようとしていない。この著者の中で血肉化した哲学が開陳されていて、その手堅さに唸った。それにしても、この本で書き留められる子どもたちの言葉のなんと鋭いことか。中には確かな「SOS」を発している子も居て、その子たちにこの本の言葉が必ず届きうるとも信じたくなる。難しい哲学をありがたがるのではなく平易で温もりがある2023/01/18
酔うた
1
子どもは本来的に哲学的な存在だが、どんどん哲学から離れていく。子供に哲学を取り戻すためにはどうしたらよいのか、どう考えたらよいのかをこれほど真面目にとらえた本は初めて。思想に振り回されない人間の幸せ・喜びを回復させるための思考実験。これこそ哲学のルネッサンス。2018/03/28
ねこみ
1
洋書のように綺麗な日本語で綴られる物語2011/12/10
Arick
0
わたしは、哲学的な考え方、探求が一般教養になっていけばいいなと考えている。そのために、私は学校で哲学対話を行い、学校や学級を「刺激的で生き生きとした、そして時に笑いとユーモアをともなう、友愛に満ちた探求の共同体P.258」にしていきたいと思う。 2015/11/11
j
0
学び、考えることそのものを生きる歓びと感じることができる人間を育てること。それは教育の最重要な目的ではないけれども、それなくして本当の意味で目的を達成することは出来ないのだと感じた。2013/12/16