法の道徳性〈下〉歪みなきコミュニケーションのために

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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326153589
  • NDC分類 320.4
  • Cコード C3010

出版社内容情報

アイヌ民族やハンセン病患者など「不利な立場の少数者」は日本社会においてどのような状況のもとにおかれ続けているのか。その状況を変えるべく、彼らから発せられた声が、不可視化されてしまうのはなぜか。北海道旧土人保護法やらい予防法などの法律は、少数者の声を封じ、少数者と多数者の間のコミュニケーションを困難にすることで、彼らを構造的不正義の状態こおく。法の名にそもそも値していない、これら管理的指令の働きを分析し、その改廃条件を探りながら、正義の探究学という法哲学の本義を確かめ直す異類異形の研究書。


【目次】
Ⅱ 「法」が≪法≫となるのを妨げるもの
      ―コミュニケーションの「歪み」の法人間学

第1章 内閉(1)―「肉体=身体」の剥奪とその回復について
第2章 内閉(2)―「精神科医=宗教家型権力」について
第3章 切断(1)―「差別のパラドクス」について
第4章 切断(2)―「弛緩」による思想の「普遍化不可能性」について
第5章 投射―<内閉>と<切断>を不可視化するメカニズム

Ⅲ 「法」が≪法≫となるための闘い
      ―コミュニケーションの「歪み」の法社会学


第1章 「トリヴィアルでないマシーン」としての法
      ―宗教の大海から法の大海へ
第2章 出発点としての「途上」から到達点としての「途上」へ
      ―「ウィーナーの船」と「オークショット=ハイエクの船」の限界
第3章 自己組織性を現代型(憲法)訴訟
      ―主観的関心の意識性とその双方向性
第4章 「自省―応答」能力と民主主義
      ―リフレクション機能を備えた「ノイラートの船」

Ⅳ ”声”の法哲学を求めて
      ――コミュニケーションの「歪み」の法自分学


あとがき 

内容説明

「法」を僭称する管理的指令は、ハンセン病患者たちや在日の人々など多様な不利な立場の少数者の“声”を抑圧してきた。そのメカニズムを分析し、少数者のつぶやきや叫びの“声”に応答しうる「法という名に値する法」の成立条件を自省する試み。

目次

2 「法」が“法”となるのを妨げるもの―コミュニケーションの「歪み」の法人間学(内閉(1)「肉体=身体」の剥奪とその回復について
内閉(2)「精神科医=宗教家型権力」について
切断(1)「差別のパラドックス」について ほか)
3 「法」が“法”となるための闘い―コミュニケーションの「歪み」の法社会学(「トリヴィアルでないマシーン」としての「法」―宗教の大海から法の大海へ;出発点としての「途上」から到達点としての「途上」へ―「ウィーナーの船」と「オークショット=ハイエクの船」の限界;自己組織性を現代型(憲法)訴訟―主観的関心の意識性と双方向性 ほか)
4 “声”の法哲学を求めて―コミュニケーションの「歪み」の法自分学

著者等紹介

小畑清剛[オバタセイゴウ]
1956年京都府に生まれる。1984年京都大学大学院法学研究科博士課程中途退学。現在、姫路独協大学法学部教授、法学博士
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