出版社内容情報
ベルクソンの哲学は実在をありのままに記述しようとする試みである。超越的な説明、つまりその事象から示されるのではない説明をもちださず、直接与えられるリアリティに従うこと。こうした仕方で見出だされる事象とは、絶えず変化し、新たな質を生み出し続ける流れ=持続である。この哲学は、しかし、見かけほど単純ではない。実在の屈曲を辿り尽くそうとする議論は錯綜に充ち、いたるところで常識を挫折させる。本書はベルクソンの主著に即しながら、方法・内容を解読する。復興の兆しのあるベルクソンを「現代思想」を踏まえて、広く紹介するもの
内容説明
絶えず変化し、新たな質を生み続ける実在、それをありのままに記述しようとする哲学。主著に即し、方法・内容を解読する。
目次
序論 ベルクソンの哲学とその位置(ベルクソンの哲学について;流れとしての実在 ほか)
第1章 連続的で異質的な持続―『試論』について(『試論』の主題;質と量との差異化 ほか)
第2章 知覚の機構と実在する過去―『物質と記憶』について(純粋知覚について;記憶と認識の機制 ほか)
第3章 分散する一者としての生命―『創造的進化』について(生命の論理;生命の認識論・拡散させる目的論 ほか)
第4章 持続の一元論/結晶と層―ベルクソンの存在論について(持続の一元論;流れの同時性・『持続と同時性』について ほか)