出版社内容情報
権利,医療,教育問題などの実践的課題に倫理学はどこまで有効であろうか。本書はこうした問に答える倫理学としてR.M.ヘアの理論を分り易く解説したものである。
目次
第1章 プラトンとヘア
1 与えられたモラルと自己決定としてのモラル
2 ヘアによる解決の糸口
3 客観的価値は存在するだろうか
4 理想対利益
Ⅰ 道徳語の分析
第2章 原則の決定
1 命令法の論理
2 道徳判断の役割
3 原則の決定
4 「よい」の意味(1)
5 「よい」の意味(2)
第3章 道徳的推論
1 相手の立場に立つ
2 利益の調停と理想
3 リベラルと狂信家
第4章 道徳語の論理的特質―指図性と普遍化可能性―
1 ヘアまで
2 ヘアによる批判
3 指図性
4 普遍化可能性
Ⅱ 新しい功利主義
第5章 二層理論
1 道徳的葛藤
2 一般的原則と限定的原則
3 直観のレベルと批判のレベル
4 功利主義の擁護
第6章 ヘア版功利主義
1 幸福から選好へ
2 全体の立場に立つ
3 理想的観察者と公平なる仁愛
4 カント説と功利主義の総合
第7章 他者の悲しみ―『道徳的思考』第五章―
1 他者の苦しみを知ること
2 人格の自己同一性と「私」の指図的意味
3 <未来の自己の選好>と<他者の選考>
4 選好ー功利主義と幸福ー功利主義
Ⅲ 実践―問題の解決へ―
第8章 権利と効用
1 全体の幸福か小数者の権利か
2 権利の効用
3 選好の個人内比較と個人間比較
4 個人の非代替性とモラルの普遍性
第9章 医の倫理
1 絶対主義と功利主義の対立
2 安楽死
3 妊娠中絶
4 人格のかけがえのなさと直観レヴェル
5 人間とは何か―事実と規範―
第10章 平等
1 経済の場合
2 教育の場合
3 利益―平等主義
4 事実としての平等と規範としての平等
5 世界的飢餓と動物の問題
6 利益平等主義と環境倫理
第11章 道徳の教育
1 一般的原則と性格形成
2 道徳語の用法を学ぶ(1)―指図性―
3 道徳語の用法を学ぶ(2)―普遍化可能性―
4 リベラルな教育観と権威主義
第12章 なぜ私は道徳的であるべきか
1 モラルの原則と個人の利益
2 良心と義務以上の行為
3 ヘアと我々(1)―二種類の相手―
4 ヘアと我々(2)―世界的視野から―
主要参考文献
索引
内容説明
道徳語の分析、新しい功利主義。そして実践問題へ。20世紀倫理学の大成者R.M.ヘアの理論を分り易く解説する。
目次
プラトンとヘア
1 道徳語の分析(原則の決定;道徳的推論;道徳語の論理的特質―指図性と普遍化可能性)
2 新しい功利主義(二層理論;ヘア版の功利主義;他者の悲しみ―『道徳的思考』第5章)
3 実践 問題の解決へ(権利と効用;医の倫理;平等;道徳の教育;なぜ私は道徳的であるべきか)