視覚新論

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  • サイズ A5判/ページ数 331,/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784326152421
  • NDC分類 133.3
  • Cコード C3010

出版社内容情報

18世紀初めのイギリスの哲学者バークリの主著『視覚新論』の本邦初訳。認識の主な起源は触覚にある,とする明快な議論で,哲学と心理学の古典である。

内容説明

認識の主要な起源は触覚にある、とする簡潔で明快な議論。哲学者と心理学者の協力によつて、いま蘇えるバークリ。

目次

視覚新論(『小粒な哲学者』の著者への匿名の筆者からの手紙)
視覚論弁明(『視覚新論』とバークリ哲学―神・身体・同一性;バークリと現代の視知覚理論;先天盲における開眼手術後の視覚とバークリ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

9
人間は、幾何学的な視覚を生まれつき持っているわけではなく、むしろ距離や大きさの印象は、触覚をはじめとした経験を起源としたものである、という本。視覚に限られてはいるが、すでに後の観念論とほとんど同じ思想を持っていたようで、科学、光学批判とプラグマティズム的な再肯定が光っている。解説が哲学、認知科学、先天盲の開眼手術後の視覚という三つからバークリの議論に注釈を加えていて、かなり豪華な本だと思う。認知科学面からの訳と解説はなんとサブリミナルマインドの下條信輔で、これにはびっくり2012/09/13

dpo

2
圧倒的に面白く刺激的な本。一般向けに書かれたという「ハイラスとフィロナス」よりこちらのほうが明快で、読むことの快楽度数も高かった。これは間違った読み方かもしれないが、身近すぎる(「卑近」な)事象を本質から(大真面目に)分析する叙述には一種のユーモアすら感じられた。と同時にこの本を書いたバークリが今ならまだ青年と言ってもよい年齢だったこと。一種の「子供の疑問」を掘り下げた本と思える点にもいたく惹かれた。これは我々の多くが子供のころに抱く、視覚や存在についての疑問に根本から答えようとする書物ではないか。2012/11/04

急性人間病

1
「見る」の解体作業。光と色があり(視覚的感覚)、その強弱や大小があり(触覚的感覚)、その間で経験論的叡智が諸感覚を結合すべく働くが、2つの感覚の決定的相違を見るのは、母国語を音としてのみ聴く事と同様に困難。“開眼した生来の盲人”の思考実験と実例が多く言及されるが、視力0.5以下の環境で12年間過ごしてから眼鏡をかけた私の実感にも思い至る部分はある。眼球コミの身体運動の占める部分の大きさも興味深い(解説I)。2018/03/24

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