内容説明
近代の個人と集団の解放をもっとも根源的に構想したルソーは、文明化への不信・情念無視の合理主義批判・代表制の拒否という意味で啓蒙の異端者でもあった。本書は、厳密なテキスト生成研究により、ルソーの思想を政治的近代の概念史と政治理論のなかに位置づけなおし、こんにちの政治社会を分析する際の導きの糸を示す。年表と各章にわかりやすい解題付。
目次
序章 啓蒙の異端者ルソー
第1章 ルソーと共和主義、正しい理解と間違った理解
第2章 『エコノミー・ポリティック論』における“一般意志”概念の形成
第3章 ルソーとともに“世論”を再考する
第4章 『戦争法の諸原理』と政治体の二重の本性
第5章 ジャン・ドブリとルソー―法律、習俗、そして人民の「暗黙の教育」
第6章 最期の言葉、『孤独な散歩者の夢想』「第一〇の散歩」を読む
著者等紹介
ベルナルディ,ブリュノ[ベルナルディ,ブリュノ] [Bernardi,Bruno]
1948年マルセイユ生まれ。高等師範学校(ENS)卒業、哲学高等教育教授資格(アグレガシオン)取得、哲学博士。CNRS(フランス国立科学研究センター)の古典思想史研究所研究員、国際哲学コレージュ・プログラムディレクター。専門はルソー研究(批評校訂版の編著多数)および政治的近代の概念史、政治理論
三浦信孝[ミウラノブタカ]
1945年生まれ。中央大学文学部教授、日仏会館常務理事。専門は仏語仏文学、フランス文化社会論
永見文雄[ナガミフミオ]
1947年生まれ。中央大学教授。専門は18世紀フランス文学、思想史
川出良枝[カワデヨシエ]
1959年生まれ。東京大学教授。専門は政治思想史
古城毅[コジョウツヨシ]
1975年生まれ。学習院大学教授。専門は西洋政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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