科学論の現在

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科学論の現在

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  • サイズ A5判/ページ数 284p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326101399
  • NDC分類 404
  • Cコード C3010

出版社内容情報

1970年代に一世を風靡したトマス・クーンのパラタイム論以降の科学論の展開を概説し、科学と社会の間に起こる具体的な問題の解決を念頭におく、STS(科学技術社会論)の方向性をもった科学論の提示をめざす。体制の支柱たる形而上学に対して、科学の正統性を弁護しようとして生まれた科学論は、60年代から70年代にかけて科学批判へと向かった。人間を抑圧する科学技術といった科学を相対化する見方が提起された。しかし先端医療や環境問題など近年の科学問題とは体制対反体制、科学の相対化などの図式以上に社会的意思決定の問題なのであ

【目次】
まえがき

第Ⅰ部 科学論の理論的基礎
第1章 科学知識の社会学
 1 SSKの成立
 2 ストロングプログラム
 3 綱領の展開と撤退

第2章 実験室の人類学―実践としての科学と懐疑主義批判
 1 実験室研究小史
 2 実験室研究の理論的前提
 3 「科学的事実の社会的構成」をめぐる理論的諸問題
 4 実験室研究から科学的実践論へ―懐疑主義からの脱却
 5 新しい「メタ科学」のあり方

第3章 テクノロジーの社会的構成
 1 ピンチとバイカーのテクノロジーの社会的構成アプローチ
 2 カロンのアフター・ネットワークアプローチ
 3 ヒューズのシステムズアプローチ
 4 『技術システムの社会的構成』の可能性と限界
 5 「テクノロジーの社会的構成」アプローチの未来

第Ⅱ部 科学論と社会のインターフェース
第4章 科学教育―ほんとうは何が問題か
 1 考察の範囲
 2 これまでの科学教育 
 3 欠如モデルを超えて
 4 科学論と科学教育の交流にむけて

第5章 科学コミュニケーション―専門家と素人の対話は可能か
 1 誰に科学を語る資格があるのか
 2 市民が科学を語る―コンセンサス会議という実験
 3 専門化論の必要性

第6章 科学政策論―科学と公共性
 1 公共空間の問題解決
 2 科学と民主主義をめぐって―妥当性境界
 3 科学的合理性と社会的合理性
 4 意思決定のしくみをめぐって
 5 科学のガバナンス

第Ⅲ部 科学論最前線
第7章 論争する科学―レギュラトリーサイエンス論争を中心に
 1 科学論争研究におけるレギュラトリーサイエンス論争の位置付け
 2 レギュラトリーサイエンス論争研究の目的
 3 レギュラトリーサイエンス論争研究の具体例
 4 レギュラトリーサイエンス論争研究の今後の可能性

第8章 実験装置の科学論―クーンは乗り越えられるか
 1 実験装置という視点
 2 実験装置からみた科学が展開するメカニズム
 3 反還元主義科学論へ向けて
 4 反還元主義科学論の意義と可能性

第9章 科学のカルチュラル・スタディーズ
 1 カルチュラル・スタディーズから「科学のカルチュラル・スタディーズ」へ
 2 科学的言説と他性
 3 ハイテク世界の「煽り」のなかで
 4 「非関与的な政治性」の射程

あとがき

人名索引/事項索引
執筆者紹介 

内容説明

トーマス・クーン以降の科学論を総括し、21世紀を展望する。先端医療や環境問題など現代の科学と社会をめぐる問題群は、体制対反体制、加害者対被害者の単純な対立図式だけではわりきれない。科学の相対化をめざす科学論から社会的な意思決定の場に貢献する科学論へ。

目次

第1部 科学論の理論的基礎(科学知識の社会学;実験室の人類学―実践としての科学と懐疑主義批判;テクノロジーの社会的構成)
第2部 科学論と社会のインターフェイス(科学教育―ほんとうは何が問題か;科学コミュニケーション―専門家と素人の対話は可能か;科学政策論―科学と公共性)
第3部 科学論最前線(論争する科学―レギュラトリーサイエンス論争を中心に;実験装置の科学論―クーンは乗り越えられるか;科学のカルチュラル・スタディーズ)

著者等紹介

金森修[カナモリオサム]
1954年北海道生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学(比較文学・比較文化)。東京大学大学院教育学研究科助教授。哲学博士(パリ第一大学)。『サイエンス・ウォーズ』(東京大学出版会、2001年、サントリー学芸賞受賞、山崎賞受賞)、『フランス科学認識論の系譜―カンギレム、ダゴニェ、フーコー』(勁草書房、1994年、渋沢・クローデル賞受賞)ほか

中島秀人[ナカジマヒデト]
1956年東京都生まれ。1985年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了(科学史・科学基礎論)。東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授。学術博士。『ロバート・フック―ニュートンに消された男』(朝日新聞社、1996年、大仏次郎賞受賞)
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感想・レビュー

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無重力蜜柑

9
クーン以降から20世紀末までの科学論を総覧する。2001における「現在」だが収録されている内容や、何より科学技術を分析する視座やスタンスは近年の論文集とあまり変わり映えしない。つまりこの分野が20年間停滞を……。「科学知識の社会学」:SSKの展開と衰退までを主要な文献を参照しながら論じる。過激化したSSKの衰退にも科学論的な意味を与えており好感。「実験室の人類学」:作動中の科学を扱うラボスタを認識論や方法論として精緻に論じる。かなりガチガチの哲学だった。なぜ物質性と遂行性で懐疑主義を回避できるか分からん。2022/07/18

なさぎ

2
あとがきにて、編者である故金森修氏の「この本が早くその寿命に達し、一日も早く省みられなくなることを私は願っている。」という言葉に、申し訳ない気持ちになる。悲しいかな、本書の内容が日本における「ごく当然の前提了解事項」となっているとは到底言い難い。サイエンス・ウォーズを経験しなかった我が国では、異なる科学観同士は巧妙に住み分けられ、対立には「フタ」がされてきた様に思う。結果、今再び、コロナ禍を前にそのツケを請求されているのではないか。2020/08/11

kвฅ•ω•ฅТ

1
2017センター国語の評論の題材にもなった科学論の本。主として科学と社会の関わりに焦点が当てられている。最初何章かは読み進めづらかったけど社会構成主義のなかなか説得力ある議論が展開されている。中盤の科学教育とSC論は読みやすい。科学への見方をまた一つ、深めることができた。2017/02/27

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