シジウィックと現代功利主義

シジウィックと現代功利主義

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  • サイズ A5判/ページ数 313,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326101252
  • NDC分類 133.4
  • Cコード C3012

出版社内容情報

今日では、人が何かに悩んでいるとして、助けを倫理学に求める人は余りいない。倫理学がそれだけ信用されていないわけである。しかし、個人的な決断で解決のつく問題ならともかく、社会の中で、他人に影響を及ぼしそうな悩みを抱えているなら、整合的で合理的な解決のための手引として、倫理学の努力も役立つはずである。本書で問題にするのは、そうした倫理学の一つ、功利主義である。現代的道徳哲学の先駆者といわれる19世紀のヘンリー・シジウィックの学説を解明し、それによって現代倫理学を再検討する。著者の結論は、“シジウィックはまだ乗

内容説明

シジウィックはまだ超えられていない。自愛・博愛・正義の三原理を提起し、厳密な分析を施したシジウィックの仕事を検証、翻って現代倫理学の不備を衝く。

目次

1 シジウィックの倫理学説(「倫理学」の射程;『倫理学の諸方法』の概略;基本的な道具立て;基本概念の分析 ほか)
2 現代功利主義の再検討(道徳的直観に訴えないアプローチ;快楽説再考;選好強度の個人間比較と、効用の総和最大化;「実践理性の二元性」の調停 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

evifrei

14
古典的功利主義末期に位置する哲学者・倫理学者であるシジウィックを、倫理学の視点から解説する。個人的な印象だが、シジウィックの哲学・倫理学は相性がはっきりと出る気がする。ミルの論文の批判の通り、シジウィックの倫理学は若干トートロジカルというか、問に対して問で返すというか。『従うべき』として『べき』を多用するのだが、この観念が曲者で、シジウィックは明言して『べき』の意味を説明してくれず読み手の直観的な理解に委ねられてしまう。同じ功利主義でもミルと全く違う印象なので、功利主義について深掘りしたい人にはおすすめ。2020/05/27

SnowFlakeShow

0
シジウィクの功利主義倫理を解説.前半は議論の準備のための定義が並び冗長に感じたが,そういう学問なのだなあ,と雰囲気だけ味わう.現代功利主義についてもっと詳しく知りたいと思ったので,他の本も読んでみよう.2012/08/27

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