出版社内容情報
認知言語学は、言語現象を人間が関わるものとして扱う。同じ客観的状況でも、人間によって、また場合によって、事態の捉え方は異なる。そうした違いが、表現や形式の違いに反映していると考えるのである。本書はこの認知言語学に基づき、HAVE構文や分詞構文などの英語の構文を取り上げて分析する。文法的には成立しそうでも、使用上は不適切と見なされるような例を見ていくことによって、言語現象と結びついた「ものの見方」の構造に迫る。また、現在見られる構文の多義性だけでなく、歴史的な変化をも視野に入れることで、構文構造が動的に拡張
内容説明
どんな構文も、私たちの「ものの見方」を反映している。所有格構文、分詞構文、have構文を取り上げて、使用上適格/不適格となる境界を緻密に検討。表現と結びついた人間の事態把握の構造に迫る。
目次
課題と構成
理論的背景―認知言語学とその基本的概念
共時研究と通時研究との接点―用法基盤モデル
所有格表現カテゴリー
分詞構文カテゴリーのネットワークと拡張
HAVE構文カテゴリーの発展について
結論
著者等紹介
早瀬尚子[ハヤセナオコ]
1967年大阪府に生まれる。1994年大阪大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。現在、大阪外国語大学外国語学部助教授
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