内容説明
小学六年生の多波時生が転校したのは、ふしぎな小学校。子ども一人につき一個、名札代わりに風船を持たされる。理由もわからないまま転校させられたことや、親友と離ればなれになったことに不満を持つ時生だったが、ある日、どうやら風船が普通ではないことに気づく。おかしな風船は宇宙人の手先?それとも何かの呪い?家族、友情、人の思い。風船に秘められたなぞを知るとき、時生はひとつの真実にたどりつく。
著者等紹介
吉野万理子[ヨシノマリコ]
神奈川県出身。新聞社、出版社勤務を経て、小説家、脚本家として活躍している。『チームふたり』(学研)が、第54回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選定されたほか、『劇団6年2組』(学研)で、うつのみやこども賞を受賞。日本児童文学者協会会員。日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BlueBerry
70
児童書なのだけれど設定が新鮮なので、その分楽しめたと思います。話をどんな風に持って行って落とすのかが割と予想出来にくい内容なので飽きずに読めたのが良かったのだと思います。内容は平易ですし、直ぐに読み終われる内容なので図書館などで見かけたら借りてみるのも良いかと思います。序盤○中盤◎ラスト○総合○2014/12/16
とろこ
59
児童書。父親の都合で、都会にある大きな小学校から、自然豊かな地方の、小さな小学校に転校した、小学6年生の時生。彼は、転校初日に、担任の先生から、ピンク色の風船を渡される。先生は、それが名札代わりだと言うが…。風船と共に過ごすうちに、時生や同級生は、ただの風船ではないと気付き始める。転校で距離的に離れてしまった親友との絆や、新たな地で友情を育むこと、物にも魂が宿ることがあるかもしれない、ということ…。細かい点で粗削りさも見られたが、テーマと内容は優しく温かく、想像力を刺激してくる1冊だった。2017/10/05
takaC
52
なかなか興味深い題材なのに完成度があと一歩な感じなのが残念。2019/01/20
みっこ
51
さらっと読める児童書。名札がわりに風船が配られる小さな学校。その風船たちが、意思を持って動いてる!?ちょっとファンタジーも混ざりつつ、小学生の心の動きを楽しめました。大人が読むには物足りないかな〜。色々掘り下げたら面白いのに、と消化不良。色とりどりの風船が浮かぶ教室、綺麗でしょうね(*^_^*)2018/08/30
そうたそ
32
★★★☆☆ 小学六年生の主人公が転校したのは、一人につき一つ風船を持たされる不思議な小学校。どうやらその風船が普通ではないらしいという疑いを持ちつつ、やがてその風船に秘められた謎を知ることから明かされる真実とは。面白いけど、読み終わった時に「それだけ?」と思ってしまった。設定が突飛な割にストーリーは至って普通。ストーリーがシンプル過ぎるのも、児童小説だからなのか、とも思うけど、これなら同時期に刊行された「時速47メートルの疾走」の方が断然良く出来ている。すぐ読めるから、軽く手に取る分には丁度いいけれど。2015/02/18