内容説明
記憶のかけらを集め、夢を紡ぐドリームギバー。彼らの仕事は幸福な夢を人間に贈ること。笑いを―勇気を―やすらぎを―渾身の力をこめて、希望の言葉を夢の中にすべりこませてゆく。
著者等紹介
ローリー,ロイス[ローリー,ロイス][Lowry,Lois]
1937年ハワイ生まれ。父の仕事の関係で世界各地を転々とし、少女時代を日本で過ごした経験をもつ。『ふたりの星』『ザ・ギバー 記憶を伝える者』(ともに講談社)で、世界的な児童文学賞であるニューベリー賞を2度受賞。家族間の問題や障害者、老人などシリアスなテーマを扱ったものから、「わたしのひみつノート」シリーズ(偕成社)など、子どもたちが喜ぶ軽快な作品までを幅広く手がける実力派の児童文学作家
西川美樹[ニシカワミキ]
東京生まれ。東京女子大学文理学部英米文学科卒業。外資系製薬会社勤務を経て翻訳者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
76
『ザ・ギバー』とリンクしているのかと思ったら、まったく違うお話。邦題をつけるにあたっての狙いかな。ドリーム・ギバーは人にいい夢を運ぶ妖精のような存在。新米ドリーム・ギバーが、虐待され心に傷を受けた少年を悪夢から救うべく奮闘する。目が覚めたら忘れていたとしても、夢が心に働きかける力は大きい。老婦人の聡明さと愛情深さに胸打たれた。2020/12/21
よこたん
50
“遠い昔、そよ風吹く夏の丘でのピクニック。暖炉の前ですごした最近の一月の夜。それから一度だけ、セーターに紅茶がこぼれてしまったことも。みんなボタンのなかにひっそりと隠れていたのだ。” 楽しいことも、かなしいことも、懐かしい記憶の数々を静かに抱きしめたまま佇む物たち。だあれも見てないと思っていたでしょう。知ってるんだよ、言わないけどね。そんな記憶の欠片を、夜な夜なそっと触れては集め、絶妙なブレンドで夢に仕上げて届けるお仕事。虚勢をはった男の子の苦しかった胸の内に涙。これからは、よい夢が見られるようにと願う。2021/02/07
けんとまん1007
35
いくつかのストーリーが並行して流れ、やがて一つになる。夢紡ぐ精霊たちとは、まさにぴったりな表現だと思う。人は、毎日のように夢をみている・・が、目覚めた時に思い出せるのは少ない(自分の場合は)。いい夢もあれば、よくない夢ももある。そうかあ~夢は、そうだよなあ~と納得する部分も多い。モノにも、意思があり、記憶があってもおかしくないと思っているので、すっと受け入れられた。夢は、明日への力ともなりえる。そんな陰に、精霊たちがいるのかもしれないなと思う。2015/08/20
小夜風
31
【図書館】「ギヴァー」とは全く違う別のお話でした。記憶のかけらを集め、夢を紡ぐドリームギバー。彼らの仕事は幸福な夢を人間に贈ること。新米のドリームギバー、リトレストが担当しているのは、両親と離れ里親のもとを転々としている八歳の少年ジョン…。ドリームギバーとは逆に、人間に悪夢を吹き込むシニスティードたちは、ジョンを毎晩悪夢で苦しめます。ジョンの虐待の記憶が悲しくて涙が出ました。でも最後はとても暖かく、ドリームギバーたちはきっとここにもいる…そんな風に思える素敵なお話でした。2014/11/11
☆すずか☆fighters!o(`^´*)
19
酒井駒子さんの表紙に惹かれて読みました。お話の雰囲気と酒井駒子さんの絵がぴったり。ジンとくる部分もありましたが、あっさり終わってしまった感じがしました。でも好きなお話です。リトレストのその後のお話があったら読みたい。2013/11/26